小学生になると、多かれ少なかれ学校から宿題が出ることがあります。
低学年であれば子ども自身もしっかりやろうという姿勢が見られることも多いですが、学年が上がるにつれ、子ども自身のやる気が薄れていくこともあり、親としては心配になることもあるのではないでしょうか。
どうしたら、子ども自身がやる気を持って宿題に向き合い続けられるのでしょうか。
今回は教諭経験がある筆者と親が出来るサポートも合わせて考えてみていきましょう。
目次
宿題のやる気が出ないのは何故?
宿題をまったくやらない子は何故やらないのでしょうか。まずそこには大きな2つの理由が考えられます。
1.興味関心が違うものにある
家に帰れば興味関心は勉強以外のものに向けられることも多いのではないでしょうか。
ゲームや漫画、テレビなどたくさんの誘惑がある中で、学校で勉強し、やりたいことを我慢したのに、家に帰っても我慢することはなかなか難しいものです。
2.面倒だから
宿題を「面倒」に感じてしまう子も少なくありません。しかしその「面倒」にもいろいろあります。
勉強嫌いな子にとっては、勉強に向き合うこと自体が「面倒」に感じてしまいます。
ただでさえ学校で頑張って勉強してきたのに、家に帰ってまでなぜ勉強しなければいけないのか、なぜ学校でやったことを家に帰ってきてまたやらないといけないのか、そう感じてしまう子もいます。
復習することは学力定着の観点からも大切なことですが、小さな子はそこまで考えるのは難しいです。
また、何か苦手意識がある場合も「面倒」で片付けがちです。
例えば国語の宿題は積極的にやるのに、算数の宿題はなかなかやらないという場合、国語は「好き」だから「面倒ではない」けど、算数は「分からない」から「面倒」と感じているのかもしれません。
もちろん人間であれば「得意」「不得意」があるかと思いますが、小学校の勉強ではどの勉強も等しく大切になります。
1つ1つの教科で得た知識はやがて他教科とも繋がっていきます。小学生のうちは、1つの得意を極めるよりも、バランスよく学習できるように環境を整えてあげましょう。
宿題をやらない子どもについやってしまう保護者のNG行動!
子どもが宿題をやっていないと、親もつい熱くなってしまいますが、以下のような行動はNG行為です。
子どものやる気を余計に削いでしまうかもしれません。
1.怒る
つい「宿題やったの?」と聞きたくなってしまうのが親心です。
しかし、「やってない。」と言われてしまうと、ついつい怒ってしまいますよね。
ですが、怒られていい気持ちになる人はいません。子どもだって怒られればさらにやる気はなくなりますし、反抗したくなってしまいます。
2.何も言わない
宿題をやったか確認して、やってなかったら怒ってしまうから、あえて何も聞かない親御さんもいらっしゃるかと思います。
気持ちとしては分かりますが、これもNG行為です。
「何も言われない」と子どもは自分に関心がないと思ってしまいます。
3.強制的にやらせる
強制的に座らせ、宿題をやらせてしまえば手っ取り早い解決方法です。
そして時にはこのように強制的にやらせることも必要な場合もあるかもしれません。
しかし、毎日毎日強制的にやらせてしまうことは、子どもの宿題に対する気持ちを無視し、子どものためにもなりません。
親ができる5つのサポート!子どもの宿題との向き合い方
では、親として子どもの宿題とどう向き合っていけばよいのでしょうか。
1.近くで見ていてあげよう
最近では自室の机ではなく、リビングのダイニングテーブルなどで宿題をする子も多いです。
子どもにとって親が近くにいることは、安心感を得ることができます。
自室にこもってしまうと、親も子どもが何をしているか分からないのと同じで、子どもも親が何をしているかわからず、不安になったり、気になったりします。
その点、食事の準備をしながらでも一緒の空間にいることで、宿題に向き合いやすくなります。
2.宿題が終わったら確認してあげよう
宿題が終わったら、その宿題に目を通してあげましょう。
間違いを探したり、きれいに書き直しさせたりする必要はありません。
「ちゃんとできたね。」と、言葉を掛けてあげるだけで十分です。
褒められればうれしくなり、また頑張ろうと思うことができます。
3.やる気になるのを待つ
やる気になるのを待つのは、忙しく動く大人にとって非常に大変です。
つい、声掛けしたくなる気持ちを抑え、子どもの動きを見守りましょう。
子どもも頭のどこかでは「宿題をやらないといけない」という気持ちはあります。
しかし、宿題の優先順位が1番に来ていないだけなのです。漫画やゲーム、テレビにしても、どこかのタイミングでやめたり、休憩したりする時間があるかと思います。
その瞬間を見極め、「宿題はどうするの」などと声をかけてみましょう。
ある程度気持ちが満たされていれば、子どもも気持ちに余裕が出来て、宿題に向き合うことができるでしょう。
4.ご褒美を用意しておこう
勉強することに対してご褒美を用意することに抵抗がある親もいるかもしれませんが、1つの案として考えていただけるとよいのではないでしょうか。
ご褒美といっても特別なものを用意する必要はありません。
宿題が終わったらおやつをあげる、宿題が終わったらゲームをしてもいい、などのご褒美でいいのです。
親や先生がやって当たり前と思っている宿題ですが、子どもにとっては非常に労力、エネルギーを使っています。
大人だって仕事で頑張った時には自分にご褒美を与えるかと思います。子どもでも頑張った分のご褒美は与えてもよいのではないでしょうか。
5.習慣化させる
これはある程度まだ低学年でないと難しいかもしれませんが、宿題をやるタイミングを決め、宿題を毎日の習慣化させることもよいでしょう。
例えば、学校から帰ったら手洗いうがいをして、ランドセルを片づける。
そのまま宿題と学校からの手紙をランドセルから出して、リビングのダイニングテーブルに座る、といったように流れを最初から決めてしまうのです。
流れを決め、習慣化させてしまえば、改めて宿題について考える必要がなく、苦に感じることも少なくなるはずです。
この流れはご家庭の状況に合わせて、夕飯の30分前でもいいですし、夕飯の後でも、寝る前でもいいです。
また、朝の時間に余裕がある場合は朝にやらせても構いません。
最近では朝学習することもよいことと言われていますし、ダラダラ宿題をするのを防ぐこともできそうです。
宿題を通して勉強を自らできる子に
宿題について、つい親はガミガミいってしまいそうになりますが、まずはその子に合う学習環境が整っているかチエックしてみましょう。
うるさく言わなくてもできる親のサポートはたくさんあります。
1人で勉強できる姿勢は、小学校高学年、中学生、高校生と学年が上がれば上がるほど大切になってきます。
まずは親が一緒になって子どものやる気と向き合ってみませんか。