テストで満点を子どもが取ってきたら、親としては嬉しいことですよね。
しかし、小学校低学年の時は毎回満点だったのに、学年が上がるごとに点数が下がってきた…という話話を耳にしたことがあります。
はたして小学校で満点を取ることは当たり前のことなのでしょうか。
学年が上がると100点は取りにくくなっていくものなのでしょうか。
そして、テストで満点が取れる子は何が違うのでしょうか。
今回は教諭経験から、テストで満点を取る子と取れない子の差について考えてみたいと思います。
お子さんがなかなか満点が取れないと悩んでいる親御さん、参考にしてみてください。
目次
100点を取るのに必要な力
小学校では基本的に授業の内容をしっかり理解しているかのテストが行われます。
小学校の学習は基礎の部分です。
学習の基礎が固まっていないと、その後の学習での理解が難しくなるからです。
その中でも、小学校低学年の学習内容は、基礎中の基礎の部分であり、学習内容も比較的簡単、かつ先生方もその基礎中の基礎が大切だと分かっているので、非常に丁寧に教えてくれている場合が多いかと思います。
学年が上がると満点が取れない!?
しかし、小学4年生になると、学習内容が非常に難しくなります。
巷ではこれを「小4の壁」といいます。
学習内容も難しくなりますが、抽象的な考えを必要とすることも子どもがつまずく要因のひとつです。
それまでの学習はイメージできたのに、イメージできないので、難しく感じてしまうのです。
難しいと感じると、頭で考えるのが面倒になります。
分からない箇所をそのままにしてしまい、結局分からない部分が広がってしまい、気づいた時には手遅れ…なんてことも。
つまり、この小学4年生あたりを境に、テストで100点を取るのが難しくなってきます。
ただし100点は難しくなりますが 小学校のテストでは基本的に8割ぐらいの点数が取れるようにしていることが多いかと思います。
8割取れていれば学習の理解度的には問題ないでしょう。
間違ったところをそのままにさせずに、きちんとできるようにしておくことが大切です。
テストの形式にも目を向けてみよう
また、テストの方法もいろいろです。
もちろん一般的に想像するようなテストの形式もあれば、全員が100点を取れるように、ユニークな方法でテストをしている場合もあります。
例えば、まずテストをして、正解の箇所には○を付けるが、不正解の箇所には×を付けず、点数も記入しないまま返却します。
返却後、子どもたちが正しい答えを記入し、再び先生に提出すると、○を付けてもらえ、100点と記入される。
たしかに子どもにとって100点は嬉しいことですし、自分で調べて正しい答えを記入する作業は大切なことです。
しかし、保護者には初見で何点取れたかがわからず、できないことを見逃してしまう可能性もあります。
いつも100点だからと安心せず、どんなテスト形式かも合わせて見守りましょう。
テストで100点を取るには?テストで高得点を取る子がしていること
まず、先に100点を取る絶対の方法はありません。
しかし、満点が取れるように努力することはできます。
教員をしてきて、満点または満点に近い子となかなか点数が伸びない子の違いについて考えてみました。
勉強に対してネガティブ、否定的に考えない
最初からテストなんて「できない」「意味ない」「無理」と言っていてははじまりません。
暗い気持ちで勉強しても意味はありません。
自分の目標を決めて、その目標が達成できたら、自分にご褒美をあげるぐらいの楽しい気持ちでテストに臨む子は、テストの時楽しそうでした。
もちろんその「ご褒美」には賛否両論あるかとは思いますが、筆者はその子にとってはとても良い方法なんだな、と感じました。
点数を取れるようになると、勉強も楽しくなってくるかと思います。
勉強の習慣づけとして「ご褒美」を決めるのも一つかもしれません。
最初から「できない」といって勉強しない子が、テストで点を取れないのはもちろん、テストで点も取れないので、勉強が嫌いになるという悪循環が一番教諭としては悩ましかったです。
自分が分からないところを聞くことが出来る
基本的にわからないところがあると、先生に聞きにいくことができる子には、勉強ができる子が多いです。
なかなかテストで点数が取れない子は、先生にどこを聞いたらいいか、何を聞いたらいいかがわからず、結局内容理解が不十分のままテストに臨んでしまっている子が多いです。
また、わからないと伝えることを、恥ずかしいことと思っている子もいます。
テストの点ばかりでなく、どこを間違えているのか、どんなところをいつも間違えやすいかを見てあげると、その子の苦手な部分がわかってくるかと思います。
“書いて”勉強している
テスト勉強の方法は、読んで覚える子、書いて覚える子、教科書を眺めているだけの子、様々です。
その中でもテストで高得点を取る子の多くは「書いて覚える」勉強法をしている印象が強いです。
さらに、漢字や英単語なら書きながら、声に出すというのをプラスでやっています。
手と耳を使うなど、2つ以上の動作を行うと記憶の定着に有効だ、という調査結果もあります。
なんとなく読んでわかったつもりでいても、実際文字に起こそうとしてもできない、ということは多いかと思います。
頭で覚えるだけでなく、手にも覚えさせる気持ちで書くと、自然と脳が活発に働いて効果的です。
ただ、書くこと自体が目的になってしまうような、作業的な書く勉強法では意味がありませんので、注意が必要です。
予習・復習をしている
学校の先生は口うるさく「予習・復習」といいますが、なかなか忙しく、予習・復習まで手が回らないという子も多いかもしれません。
しかし授業の時間だけで、その内容を理解することは難しいです。
予習をすることで、あらかじめ大切なポイントがわかり、その部分を集中して聞くことができたり、予習で分からなかった部分を授業で聞いて、理解につなげたりすることができたりします。
また、復習することは、学習の定着に必要な作業です。
私たち人間は1日もすると、半分近くの内容を忘れてしまいます。
繰り返し勉強する、問題を解くことで、学習の確実な定着を図りましょう。
100点は努力の証
テストで満点を取るということは、非常に努力が必要です。
もちろん、上記に述べたような方法ばかりがよいわけではありません。
子ども一人ひとりの持つ、学習環境や素質、性格は様々なので、その子にあった勉強方法が見つかるのが1番良いでしょう。
また、テストで100点を取ることばかりが大切なのではありません。
100点を取るまでのプロセスもまた大切です。
たとえテストが30点だったとしても、そのプロセスで努力をしていたならば、それを褒めてあげることも大切かと思います。
いずれにせよ、100点を取ることは大変すばらしいことです。
100点を取ったテストをお子さんが持って帰ってきたら、素直に喜び、思いっきり褒めてあげてください。