朝少し早く起きて、本読んだり、運動をしたり、自己啓発などの勉強をする「朝活」。
実は、中学受験をするご家庭にこそ、「朝活」はぜひ取り入れていただきたい習慣なのです。
そこで今回は、実際に2人の子どもの中学受験を経験した筆者が、中学受験をするご家庭におすすめしたい「朝活」について、その理由やおすすめの「朝活」の過ごし方をご紹介します。
目次
中学受験をする家庭に「朝活」がおすすめの理由
少し前から耳にするようになった「朝活」という言葉。
「朝活動」の略語で、特に社会人や女性の間で話題になり、今ではすっかり定着しました。
その「朝活」は、実は中学受験をするご家庭にこそ取り入れていただきたい習慣なのです。
その理由を次からご紹介します。
「朝活」は勉強のゴールデンタイム!
「朝活」は、文字通り朝の時間に活動することですが、実はこの“朝の時間”は、学習などに最も向いている時間だといわれています。
記憶は睡眠中に整理・記憶されるため、朝目覚めたときには脳はクリアな状態となっていて、思考力が高い状態となっています。
また、朝はドーパミンやアドレナリンなどの脳内物質が大量に分泌されるので、1日の中でいちばん集中力もあり、やる気も出る時間帯なのです。
まさに朝は、集中力・やる気・思考力が全て揃った「ゴールデンタイム」。
そんな「ゴールデンタイム」を、中学受験をするお子さんやご家庭が逃す手はありませんよね。
さらに、「朝活」は、中学受験をするご家庭にとって、他にも嬉しい効果がたくさんあります。
規則正しい生活習慣が身につく
中学受験をするお子さんが、塾に通い始めて最初に言われることに「規則正しい生活をする」というのがあります。
これは、健康的に生活するためにも大切なことですが、中学受験をするご家庭には特に大切で、必要な習慣です。
なぜなら、中学受験の勉強は範囲も量も膨大で、受験のための勉強時間が長時間必要になり、またその確保がとても難しくなるため、1日のスケジュールをきちんと決めてそれを実行できるようにする必要があるからです。
ですが、「朝活」を習慣に取り入れておけば、朝、決まった時間に起きて勉強や運動することで、毎朝「何かをする習慣」が身に付きますよね。
また、「朝活」のために朝早く起きれば、夜更かし防止にもなり、規則正しい生活の基礎が作れます。
勉強に集中して取り組める
前でもご紹介したように、朝は脳にとって「ゴールデンタイム」。
集中力もやる気も思考力も揃った朝の時間は、勉強に一番適した時間です。それは、お子さんはモチロン、大人にとっても、です。
そこで、ぜひおすすめしたいのが、親子一緒に「朝活」することです。
中学受験は、高校受験や大学受験以上に、親子で乗り越えるべき壁が多く存在します。
「朝活」の時間、親子で別々のことをしていても、「何かをする」時間を共有することで、お子さんも親が“一緒に受験に挑んでくれている”ことを肌身で感じ、親子の“絆”が深くなることが期待できます。
朝食がしっかりとれるようになる
朝起きた身体は、前日の夕食から時間が経ち、寝ている間もエネルギーを消費しているため、エネルギーが不足している状態にあります。
そのため、朝食は一日の始まりのエネルギーを補給するという意味でも、きちんと取りたいものですが、朝寝坊をしたり寝不足でボーっとしていると、食べる時間もなくなり、食欲も出ないことがありますよね。
ですが、「朝活」のために朝の決まった時間に起きるようになると、朝型の生活習慣が定着し、朝食もしっかりとる時間が確保でき、また、きちんとお腹がすくようになります。
さらに、朝食をとることは「排便」のためにも大切です。
受験勉強を続けていくと運動不足になり、「排便」の時間がまちまちになってしまったり、便秘になったなんて話もよく耳にしますが、「朝活」で早く起きて朝食をしっかりとれば、腸が刺激され、「排便」のリズムも整うことが期待されます。
入試本番にも対応がスムーズ!
中学受験をするお子さんの中には、夜遅くまで勉強していて、朝は慌てて起きてバタバタと登校していく、なんてお子さんも少なくないのではないでしょうか。
ですが、同じ勉強を「朝活」の時間にシフトし、生活を朝型にすることは、入試本番のためにも大切なことなのです。
中学受験の入試は、そのほとんどが午前中に行われます。
また、試験当日は、家から受験校までの距離にもよりますが、いつもより早く家を出て試験会場に向かうことが多いです。
そのため、「朝活」で朝の時間に問題に向き合うことや、朝早く起きてテキパキと動く習慣を定着させておくと、入試本番が近くなってから慌てて朝型にシフトする必要もなく、いつも通り過ごせます。
中学受験をする家庭におすすめしたい「朝活」の過ごし方
中学受験の勉強では、朝の時間に勉強する「朝学習」の習慣をつけるのが良いといわれますが、中学受験の勉強が本格的に始動する前から、ご家庭で朝少し早く起きて「朝活」する習慣をつけておくと、スムーズに「朝学習」に移行することができます。
では、具体的にどのような「朝活」をすればよいのでしょうか。
そこで次から、中学受験をするご家庭に特におすすめの「朝活」の過ごし方をご紹介します。
本や新聞を読む
中学受験の入試問題をご覧になったことはありますか?
中学受験の入試問題は、大人が想像している以上に長文で、表現も難しいものが出題されます。
また、それは教科に限りません。
国語はもちろん、最近では、社会、理科、算数でさえも長い文章を読んで解答する問題が出題される学校が増えてきています。
最難関といわれる学校では、大人が読んでも難しい論説文や物語が出題されることもよくあります。
そこでおすすめしたいのが、本や新聞を読むことです。
本や新聞などで活字に慣れ、長い文章を読んでおけば、「活字を読むこと」や「長い文章を読むこと」への抵抗が少なくなり、その後の受験勉強にとても有益です。
特に新聞は、活字を読む訓練になるだけでなく、受験生にとっては時事問題に直結します。
最初はお子さんが好きな本や、子供新聞のような漫画や絵が取り入れられたものでも良いので、活字に触れる機会を「朝活」の1つに取り入れてみてください。
軽い運動
特に土日など、学校に行かない日におすすめしたいのが、「軽い運動」です。
ラジオ体操や犬の散歩、縄跳びを5分だけなど、なんでも良いです。
運動不足になりがちな受験生活で、身体を動かす貴重な時間となるだけでなく、身体を動かしてから勉強に取り掛かれば、一段と頭がスッキリした状態で机に向かうことができます。
朝学習
受験勉強が本格化する4年生以降になったら、いよいよ習慣化していた「朝活」の時間を「朝学習」に移行するタイミングです。
塾でも必ず勧められる「朝学習」は、「朝活」を習慣化しておけば、その時間に受験勉強をすればよいだけなので、苦労なく「朝学習」に取り組むことができます。
この「朝学習」では、ぜひ、手を動かして問題を解くような“アウトプット”の勉強を取り入れてください。
前日の疲れも取れ、頭が冴えている朝の時間は、前日に解けなかった問題などに再チャレンジすると、すんなり解けるなんてことも多いです。
反対に、暗記するような勉強は、その日を過ごす間に様々な情報に触れるため、せっかく覚えた内容も他の多くの情報に埋もれてしまうので、おすすめしません。
前日に覚えた内容の確認テストや、解けなかった問題の解き直しなど、前日の夜のうちに「朝学習」の内容を決めておいて、時間を有効に使うことも心がけてみてください。
まとめ
今回は、中学受験をするご家庭におすすめしたい「朝活」について、おすすめの理由や「朝活」の過ごし方をご紹介しました。
中学受験をするご家庭にとって、朝の時間は生活面からも勉強面からも、とても重要な時間帯です。
中学受験という一大イベントを親子で乗り越える絆をより強くするためにも、ぜひ「朝活」の時間を親子で共有し、心身ともに健やかに過ごし、受験勉強のベースとペースを作ることをおすすめします。