「親に受験の経験がないけど、うまくいくのか…」「共働きだし、親の出番が多いと無理かも」中学受験は親の受験だという言葉を目にして、初めての中学受験に臨もうとしている親御さんは、特に不安を感じているかもしれません。
筆者自身も初めて中学受験を経験し、親の受験と言われることに納得感があります。
実際に「親の受験」と感じたことを段階的にご紹介していきますので、これから中学受験生活を送る親御さんは参考にしてみてください。
目次
「中学受験」は子どもに意識させるところから始まる
高校への進学率は、1974年以降9割を超え、中3にもなれば、嫌でも「受験を意識する」そんな環境になります。
自分から勉強に取り組むようにもなり、受験モードとも言われる、ピリッとした雰囲気が学年に行き渡るでしょう。
では、中学受験はどうでしょうか。
中学受験を目指す多くの子どもは、高学年になると、中学受験専門の塾に通うことになります。その頃、小学校のクラスに、「受験」という雰囲気があるでしょうか。
「受験ってなに?」そんなことだってあり得るでしょう。
子どもに受験を提案するのは、親です。
受験を意識させるところから、中学受験は始まると言えます。
受験を意識させることは「親の受験の第一歩」と例えてもいいでしょう。
「中学受験」をすることに子どもに理解と納得をさせることの重要性
「中学受験する?」と子どもに伝えたところで、「なんで?」という反応が返って来ても不思議ではありません。
年相応の、素直な反応ではないでしょうか。
親が子どもに受験を提案をする場合、中学受験をする理由を、子どもが分かるように説明しなければいけません。
特に、周りに受験する子どもがいないと、「なんで自分だけ…」と不満を漏らすこともあるでしょう。
塾に行くこと、勉強時間や課題が増えること、習い事を続けられなくなるかも、といった生活への変化も伝えなくてはいけません。
子どもが受験することに心から同意、納得できてこそ、中学受験のスタートラインに立てるのだと感じます。
子どもが受験を理解し、納得しないといけない。そんな点も、親の受験と言われる所以ではないでしょうか。
我が家の場合は、子どもが通っていた小学校は、小規模で、人間関係が固定されていたこともあり、子どもも変化を求めていたので、説得する必要がなく、スムーズに受け入れてくれました。
お子さんときちんと話し合うことは長い受験期間のことを見据えてもとても大切なことです。
「親の受験の集大成」受験時期のサポート
学校と塾との両立、塾の課題やプリント類の確認、生活リズムを整えることなど、受験生はまだ幼い小学生なので、親のサポートは欠かせません。
親が仕事で忙しくて、余裕がないという方もいらっしゃるでしょう。
学校や塾で勉強は教わるので、親が教える必要はないものの、ちゃんと理解しているか、宿題にきちんと取り組んでいるのか、テスト直しは済んだかなど、親がしっかりと確認することが大切です。
日々の生活においても親のサポートが求められます。
こういう部分も含めて、親の受験になってきます。
我が家では、5年生になると通塾回数が増え、課題も多くなり、それについて行けず、成績が下がり始めました。国語の読解力、理科の計算問題などに特につまづいていました。
我が子が4年生のとき、筆者の出産もあり、塾の送迎や、持ち物チェックぐらいで、十分なサポートができませんでした。
それでも好成績だったので、5年生になっても、ほとんどサポートをせずにいたところで、成績の下降。
下の子どもが成長したのもあり、テストの間違い直しを一緒にしたり、暗記に付き合ったり、楽しく勉強ができるような雰囲気作りをして、立て直していった記憶があります。
インターネット上には、中学受験の体験記がたくさん公開されています。
お子さんの性格や環境に合わせた方法を参考にするのも、いい手だと思います。
受験生活においても、親のサポートはとても大きなものなのです。
6年生に必要なサポートと直前期に親が出来ること
6年生になると、「まるで親が受験するみたい」と感じてしまうほど、いろいろな状況が続きます。
通塾回数が増え、学校との両立に悩んだり、学校行事が模擬試験と重なったり、スケジュール管理も、親の大切な役目です。
食生活や生活リズムを整えて、強い体も作らないといけません。
さらに、精神面でのサポートも欠かせません。
6年生になると、子どもの成績に今まで以上に親も敏感になると思います。
けれども、親のサポートは、叱って勉強させようとすることではありません。
また受験日が近づくにつれ、「志望校に本当に合格できるかな」「試験ってどれだけ緊張するの?」いろいろな不安が子どもの心に生まれて当然です。
そんな不安をしっかりと聞き、支えてあげられるのは、親しかいません。
長い受験生活の中で、最も親の支えが必要な時期だと言えます。
親子の信頼関係がなければ、合格は遠のいてしまうかもしれない。親の受験と言われるほど、中学受験において、親の存在は大きいのです。
「親の受験」で始まり「親子の受験」で終わろう!
子どもに受験を意識させるところから、受験時期の親のかかわりまで、中学受験生にとって、親のサポートが欠かせないものだと、感じていただけたと思います。
「親の受験」と例えられても、異論はないでしょう。
ただ、「親の受験」だからといって、何でも親主導で決めていいわけではないことを、忘れてはいけません。
受験を強引に決める。「勉強しなさい!」と強く叱る。教育虐待と言えるほど、子どもを追い詰める親もいます。
受験勉強を進めるなかで、子どもの悩みを聞き、共感し、一緒に考える。「よく頑張っているね」と温かい言葉をかける。親子の信頼関係がなければ、中学受験は成功しないといっても過言ではありません。
実際に経験した筆者は、そう断言できます。
「中学受験は親の受験」とは言われますが、「親子の受験」と言い換えることができます。
受験が終わったとき、「親子でよく頑張ったなぁ」そう思えるような受験生活を送ってください。