小学生のお子さんをもつ親御さんで、「宿題の量が多い」と思っている方や、反対に「宿題を増やしてほしい」と感じている方がいるのではないでしょうか。
また、学年が上がったり、先生が変わったりすると出される宿題の量も変わるので戸惑うことがありますよね。
今回は、平均的な小学校の宿題の量について、小学校の教員をしていた経験からお話します。
目次
宿題の量は学校や先生によって違う?
宿題の量は、地域や学校や先生によって大きく違ってきます。
差が出る理由としては、量の基準が決まっていないことや習い事などで家庭で学習できる時間が人によって違うこと、先生によって指導方針に違いがあることなどが挙げられます。
家庭によって「塾などには通わないからもっと宿題を出してほしい!」という考えや、「習い事をしていて時間がないから、宿題を減らしてほしい!」という考えまで幅広い意見があります。
また、自主性を育てたいという考えから自主学習だけに取り組ませる先生もいれば、プリントや漢字ノートでの学習を指定する先生など、指導方針によっても宿題の量は変わってくるのです。
<学年別に解説>小学生の平均的な宿題の量はどのくらい?
先生や学校によって量が違うとしても、宿題の量ってどのくらいが平均なのか気になりますよね。
ここからは学年ごとに宿題の量の目安について紹介していきます。
宿題にかける学年ごとの時間の目安
家庭での学習時間の目安は、学年×10〜15分以上が望ましいです。
- 1年生 10分〜15分
- 2年生 20分〜30分
- 3年生 30分〜45分
- 4年生 40分〜60分
- 5年生 50分〜75分
- 6年生 60分〜90分
筆者の場合、この時間よりも宿題が早く終わった時は、自分で考えて漢字や計算、読書などの学習をするようにも子どもたちには伝えていました。
1年生の宿題の量
1年生は、学校生活に慣れるまでは宿題を出さない、または少なめに出すことが多いです。
初めからたくさんの宿題を出すと勉強に苦手意識を持ってしまう可能性があるため、ひらがなプリント1枚、音読1回など確実に取り組めるものだけです。
1年生の間は、量は少なくても「毎日きちんと宿題をする」ということを目標に取り組んでいくことが大切です。
低学年の宿題の量
低学年では以下のような宿題が出されることが多いです。
- 漢字ドリル・・・1日50〜84文字程度の漢字ノートに1ページ書いて提出
- 計算ドリル・・・1日1ページ程度
- 音読・・・指定した1〜3ページ程度を1回読む
- 計算の練習(足し算や掛け算などを暗記しておうちの人に聞いてもらう)
1年生でも学校生活に慣れてきた頃には、学級の状況に応じて宿題を増やしていきます。
低学年は、音読や計算練習をおうちの人に聞いてもらったり、丸付けをお願いしたりとご家庭の協力もとても大切です。
毎日確実にできるようにおうちの方でチェックしてあげてくださいね。
中学年の宿題の量
- 漢字ドリル・・・1日100文字程度の漢字ノートに1ページ書いて提出
- 計算ドリル・・・1日1ページ程度
- 音読・・・指定した物語や説明文を1回読む
- 社会や理科などのプリント・・・2日に1回1枚程度
3年生以上になると理科や社会といった教科も増え、勉強量が少しずつ増えてきます。
おうちの人にしてもらっていた宿題の丸付けも自分ですることが増えるなど、自分で勉強するという意識が大切になってきます。
高学年の宿題の量
高学年は中学年よりもさらに自主的な学習が必要になってきます。
- 漢字ドリル ・・・1日100文字程度の漢字ノートに1ページ書いて提出
- 計算ドリル・・・1日1ページ程度
- 社会や理科のプリント・・・2日に1回1枚程度
- 次の授業の予習や自主学習・・・1日1ページ程度
漢字や計算などの決まった宿題に加えて、予習や自由度の高い自主学習などが追加されることがあります。
学年が上がるにつれて、中学校入学を視野に入れて宿題が出されるようになります。
自主性を育てるために決まった宿題を出さず、自主学習をメインに実施する先生も多いです。
宿題が終わらなくて困ってしまっている時の対処法
宿題に時間がかかってしまって困ると悩んでいる保護者の方もいると思います。その場合には大きく2つのパターンがあります。
子供の学力に対して宿題量が多すぎる
1つ目は、お子さんの学力に対して宿題の量が多過ぎるケースです。
おうちの方が一緒についてもなかなか終わらない、真面目に取り組んでいるのにどうしても終わらないという場合は、先生に相談することを検討しても良いでしょう。
宿題の量や内容を調整してくれる可能性があります。
習い事が忙しく宿題の時間が確保出来ない
2つ目は、習い事などが忙しく、宿題の時間が確保できないケースです。
この場合、すぐに「習い事で忙しいから宿題を減らしてほしい!」と学校に言うことは、あまり良い印象を与えないので得策ではありません。
宿題の時間が取れないほど、毎日の習い事が忙しいのは、子どもにとっても負担が大きい可能性があります。
まずは、習い事の時間の見直し、調整をしてみるのも一つです。それでも改善されない場合には、先生に相談してみましょう。
宿題の量が少ない!もっと宿題を出してもらったほうがいい?
宿題は基本的にクラスの全員が確実に取り組める量を考えて出されるため、学校からの宿題はすぐに終わってしまうと感じる人も少なくないはず。
余裕がある場合は、市販のドリルや小学生が読める本などを購入し、自主的に勉強できる環境を作ってあげると良いですね。
無理強いする必要はありませんが、中学校へ向けて自主性を育ててあげることも大切です。
まとめ
今回は、平均的な小学生の宿題の量について解説していきましたが、いかがだったでしょうか。
宿題の内容は学校や先生によって違うので一例になりますが、参考にしてみてください。
きちんと宿題ができる子は学力が高い傾向がありますので、宿題の量が学年ごとに違ったとしても、毎日の習慣として取り組んでいきたいですね。