勉強机をリビングに置かなくても大丈夫!リビング「でも」勉強ができる環境の整え方

リビング学習をする子供たち

親である以上、「子供は勉強が出来るに越したことはない!」と考える方がほとんどではないでしょうか。

なおかつ、出来れば口を酸っぱくして「勉強しなさい!」と言いたくない親心もわかります。

つまり、最も理想的なのは、お子さんが自然に勉強好きになってくれて、何も言わなくても勉強してくれることですが、小学生の子どもは遊び盛り。

中高生はSNSに夢中、そんな状況を作りだすことはできるのはなかなか難しいです。

そこで、せめて、お子さんが「心地よく勉強できる環境」を整えてあげてみませんか?

今回は、そのための工夫のひとつとして、「勉強が出来るようになるリビングの作り方」をご紹介していきます。

リビング学習に必要な勉強スペースの作り方

「リビング学習」がお子さんの頭を良くすると言われ始めて数年経ちます。

この話は東大生にアンケートを取ってみたところ、リビング学習をしていたお子さんが多かったという統計結果に基づくものです。

同時に「子ども部屋は不要」とまで語られ始めていました。

では、リビング学習は本当にお子さんの頭を良くするのに適しているのでしょうか。

実は、そうとは限りません。

「リビング学習が良い」という言葉が独り歩きしてしまっていますが、そうではなく、リビングを「勉強してもいいスペース」にし、お子さんが気持ちよく勉強できる環境を整えてあげることが重要だと言われています。

どの場所が勉強しやすいかは、お子さんによって異なります。

大人ですら、「喫茶店だと仕事がしやすい」「在宅だと仕事がはかどる」「会社じゃないと仕事ができない」など、その人の性格などによって仕事のしやすい環境が違いますよね。

子供も同じなんです。適度に雑音のあるリビングが心地よく、逆に集中しやすい子もいれば、静かな自分の部屋の方が集中できる子もいるのです。

特に中学受験を目指すお子さんの場合、わからないことをすぐに親御さんに聞いたり、難しい問題を解いて褒めてもらえたりすることをモチベーションと感じるお子さんもいるでしょう。

親の目があるからこそ勉強が出来る子の場合

さらに、本来、小学生はまだまだ遊びたい盛りです。

親御さんに隠れてゲームなどで遊びたいお子さんもたくさんいます。

勉強しなければならないとわかってはいても、小学生はまだまだ自分を制御する力が足りないものです。

親御さんの目がない子ども部屋では、ついつい遊んでしまうかもしれません。

そういうとき、リビングに勉強するスペースがあれば勉強に集中しやすくなりますし、親御さんも安心ですね。

自分から勉強ができる子の場合

逆に、放っておいてもどんどん自分から勉強していくお子さんは、リビング学習ではなく子ども部屋学習の方が合っているかもしれません。

そういうお子さんの場合は、無理にリビング学習を進めず、子ども部屋で勉強をさせてみましょう。

勉強机をリビングに置く必要はなし!リビング「でも」勉強ができる環境の整え方

なお、お子さんがリビング学習を行う場合、「場所がない」というご家庭もあるかもしれません。

しかし、場所はどこでもよいです。

ダイニングテーブルの上でもいいし、コーヒーテーブルの上でもいいです。

勉強机をリビングに置く必要はなく、勉強専用のスペースを設置する必要もありません。

ご家族で、お子さんがリラックスしやすい場所を相談してみるのがよいでしょう。

また、リビング学習を進めると同時に提唱されることも多かった「子ども部屋不要論」については、親御さんの考えにもよりますが、子ども部屋があることによって成長途中のお子さんの自立心を育てることができます。

たとえば親と一緒に寝ていた幼少時代から成長し、子ども部屋でひとりで寝るようになるのはお子さんにとっては大きなイベントです。

また、自分の部屋を掃除や片付けをさせる良い機会にもなります。

さらに、思春期の中高生になったらひとりになりたい時もきっとあるでしょう。

「リビング学習が最適で、子ども部屋は不要」と切り捨ててしまわず、リビング「でも」お子さんが勉強できるように環境を整えることを重要視しましょう。

リビングに辞書を用意しておくことのメリット

伸びる子の特徴

リビングに辞書があることはとても重要です。

なぜならば、疑問に思ったことをその場ですぐ調べることができるためです。

たとえば家族の会話の中で、テレビを観ていて、ニュースを読んで、わからない単語をその場ですぐに調べてクリアすることは、特に社会や国語の成績アップにつながっていきます。

語彙力は、受験を終えたあと社会人になった時にも大変役立ちます。

スマートフォンなどではなく辞書で調べるということが大切

スマートフォンでももちろん言葉の意味は調べられますが、特に小学生の場合はまだスマートフォンを自由に扱えないため、親御さんにスマートフォンやパソコンで調べてもらう必要が生じます。

その場合だと、紙の辞書よりも記憶に残りづらく、簡単に情報が手に入り、かつ自分で手を動かさないため、記憶が定着しづらいのです。

広辞苑のような分厚い辞書で、調べる語句を何度も頭の中で反すうしながら「あいうえお」順になっている文字の中から単語を探し、さらに小さな字の中から探し出し、意味を読んでいく。

この過程こそが、調べた単語も意味も記憶に残りやすい理由とされています。

さらに、使い込めば使うほど愛着が湧いてくるのも紙の辞書の特徴です。

線を引いておけば、二回調べた単語を知ることができますよね。つまりその単語は苦手な語句だということがわかります。

漢和辞典の場合は部首ごとに書かれているため、同じ部首を持つほかの単語を学ぶこともできますね。

電子辞書をリビングに置いておいて、お子さん自身に調べてもらうのもよいでしょう。

ただし、電子辞書にはゲームがついているものも多いので、お子さんからふと目を離した時、電子辞書を触っていて、「ふむふむ何か調べてるな…」と思ったらゲームだった、なんてこともありますので、注意しましょう。

読書をする子供たち

地球儀と日本地図を置いていつでも調べられるようにしておこう

辞書と同様に、地球儀や日本地図はリビングに置いておいて、お子さんが調べたい時に調べられるようにしておくことをオススメします。

たとえばニュースを観ていて知らない市や国の名前が出てきた場合、「ふーん、知らない国だな」だけで終わらせてしまうと、せっかくの知識を広げる機会を失ってしまいます。

知らない市や国、また川や山などの自然や、国宝や世界遺産などの建造物などが出てきた場合は、日本地図で確認したり、地球儀で場所を確認してみると、社会の地理の知識を広げることができます。

地球儀や日本地図は、特にクイズ番組を観ているときに役立ちます。

昨今のクイズ番組は、番組によって差はありますが、中学受験を目指す小学生にも役立つ内容が多いです。

6年生で習う公民では、世界の地理や、日本と世界の関わり合いについて学びます。

写真や文字だけではなく映像が流れるクイズ番組は、エピソード記憶として脳内に知識を定着するのに役立つ貴重な機会です。

家族でテレビを観ながら、お子さんが知らなそうな情報が出てきたら、「この国はどこにあるでしょう?」と親御さんからいきなりクイズを始めてみて、お子さんに調べてもらうのも楽しいかもしれません。

子供の「考える力」を育てよう

語彙力をつけたいなら!本を手に取れる環境を整えよう

集中して本を読む子供

幼い頃から本を読み続けてきたお子さんは、やはり国語力が高いです。

本をたくさん読むことによって語彙力も増えますし、文章を読むのが早くなります。つまり、それだけ問題文を早く読み、理解することができるためです。

リビングに本を置いておくということは、「いつでも本を読める環境」にあるということです。

勉強のふとした合間や、お子さんが学校から帰ってきて宿題をするまでの少しの間など、自由に本を手に取れる環境を整えておきましょう。

リビングにあることでお子さんが本を身近に感じることのできるメリットもあります。

音読の宿題をする子供

リビングにいる親御さんが注意したいこと

お子さんがリビングで勉強する時は、親御さんも可能な限り協力してあげましょう。

例えばお子さんが熱心に勉強している横で、親御さんがスマートフォンでずっとゲームをしているような場合、お子さんのやる気は削がれてしまうかもしれません。

お子さんが頑張って勉強していたら、リビングでそれを見守り、褒めてあげましょう。

また、親御さんもお子さんの隣で新聞や小説を読んだり、調べ物を一緒にしたりしてあげましょう。

それにより、「本や新聞は読むものなんだ」「わからないことは調べるものなんだ」と学べ、リビング学習の効果を最大限に高めることができます。

勉強のやる気がない子供

まとめ

ここでは、リビング学習で用意しておくと良いことをご紹介していきました。

ただ、リビング学習が推奨されているからといって、無理にお子さんにリビング学習をさせる必要はありません。お子さんにあった学習の環境を整えてあげることをオススメします。

リビング学習をする際には、辞書や地球儀、日本地図、それに本などを置いておいて、いつでもお子さんが調べたい時に調べ、読書したい時に読書できるようにしてあげましょう。

これらの小さな工夫が、勉強好きなお子さんに育つための力にはずです。