完全中高一貫で都内からのアクセスも良いため人気があります。栄光学園、聖光学院と合わせて「神奈川御三家」と呼ばれることもあるほどの名門。偏差値は65~70程度と言われます。
ここ数年の過去問を分析し、傾向と対策を考えます。
目次
浅野中学校の受験情報(2021年度)
2022年度は、募集人数270人に対し受験者は1474人、合格者は594人でした。
受験日は2/3。人気の「筑波大学付属駒場中学校(筑駒)」や「慶応中等部」と重なっています。これらの学校も考えている場合は特に、入試日程をしっかり調べておきましょう。
国語と算数が50分120点、社会と理科が40分80点。合格者の平均得点率は4科目で67.9%。算数に限っては76.8%でした。
過去問に臨むときはまず6割を目標にすると良いですね。
毎年漢字が10問
毎年漢字の読み書きが10問出題されています。
たとえば2017年に出題された「静観」「造作」など、漢字自体は小学生レベルでありながら熟語の意味は難しい、というような言葉が狙われています。
単に繰り返し書いて練習するだけでは点数に結びつきません。
漢字とともに語彙を広げることが必要と言えます。
幅広い語彙が必要
漢字だけでなく設問としても語彙を問われることがあります。
2016年には「眉根を寄せた」という言葉の意味を選ばせる問題がありました。本文からの推測は可能ですが、「眉をひそめる」などの類語を知っているかどうかで難易度が大きく変わります。
「幅広い言葉」を「正しい漢字」で頭に入れる学習を心がけましょう。
男子は書くことを面倒がることが多く、難解な言葉もひらがなで殴り書きするだけというタイプがよく見られます。
子供のタイプによっては普段使っているノートを見て、正しく書けているかをチェックすることも必要となります。
文章は長めで速さも求められる
大問は3つで、漢字と物語(小説)・論説・随筆から2題という組み合わせが続いています。
漢字は10問でほぼ固定、読解の設問は7~10問、全部で30弱という構成です。
読解の文章は5000字程度とボリュームがあり、設問数を考えてもゆっくりじっくり読んでいる暇はありません。
読解ではまず流れを押さえて設問までたどり着き、改めて必要な部分を読み直すのが良いでしょう。
過去問を始めて2.3回は、最後まで解き終えることが難しいかもしれません。
心配になるかとは思いますが、始めのうちは時間配分を頭と体に叩き込むためなので、あまり気にせず見守ってあげてください。
読解文はやや難解なものが多い
物語では登場人物が個性的で、流れを追うのが難しいと感じるものが見られます。
2014年度に出題された「ブレノワール(森絵都)」は舞台がフランスで、人名や地名など固有名詞に馴染みがないため、小学生にとってはさらに流れがつかみにくくなったのではないかと感じます。
論説・随筆では「資本主義」や「教育」など、テーマとしてはやや難解。文は難しくなくともテーマが難しいため、苦手意識の強い子供は手や頭が動かなくなってしまいます。
普段から様々な文に触れておくことが大切です。
選択問題は時間をかけずに正誤判断
読解の設問は選択問題が中心で、抜き出しは少なめ。
選択肢の文が長いことも多いため、部分ごとに正誤判定をしていく方法が有効です。
すべての選択肢をじっくり読んでいると時間も足りなくなってしまいます。
短い記述の練習が必要
記述は5~30文字程度で、5問程度出題されます。
文字数が少ないと聞くと子供は喜ぶのですが、いざ書いてみると盛り込みたい内容がまとめきれず苦戦することが多いようです。
80字程度の記述よりも時間がかかってしまったというケースもあります。
ヒントとなるキーワードや文を本文から探し、短く言い換えてまとめなければなりません。
具体例は省く、似た表現はまとめるなどのテクニックと同時に、言い換えるための語彙も必要です。
6年生の夏からで構いませんので、短くまとめる練習をしておくと役に立つでしょう。
自由記述の復活はあるか
過去に出題されていた自由記述は、最近では出題されていません。そのため、時間を割いて対策をするのは非効率と考えられます。
とはいえいつ復活するか分かりませんので、もし出題されたときに白紙とならないよう、最低限の書き方を数回確認しておくと安心できますね。
まとめ
- 幅広い語彙
- スピード
- 30字程度の記述
これら3つのポイントを押さえることが重要と言えます。6割以上の点数をとれるよう、しっかりと対策をしていきましょう。