中学受験は上の子が受験をしたら下の子も受験する?兄弟姉妹がいる家庭で考えておきたい4つのこと

勉強をする姉妹

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兄弟姉妹がいるご家庭で、子ども全員に中学受験をさせるべきか?と悩んでしまう親御さんは多いです。

上の子を受験させたら下の子も受験させるべきなのか、もし上の子が受験に失敗してしまったときに下の子を受験させても良いのかなど、親として悩みはつきないかと思います。

いくら兄弟姉妹といえども、性格や向き不向きは子どもによって大きく異なる場合もあるでしょう。

子ども全員に受験させるべきかどうか、これは正解のある問題とは言えませんが、親としてどう捉えるべきなのか、塾講師経験のある筆者と一緒に考えていきましょう。 

兄弟姉妹全員に中学受験をさせるべきなのか?

兄弟姉妹がいるご家庭では、「上の子がやったことを下の子にもやらせるべきか?」という悩みは様々な場面に登場します。

中学受験も例外ではなく、上の子を受験させたら下の子も受験させるべきなのか、悩みの種になりがちです。

以下、順番にポイントを整理していきましょう。

子どもの向き・不向きや個々の事情はしっかり考えるべき

まず大前提として、兄弟姉妹の全員に必ず中学受験をさせるべきとは言えません。

中学受験の勉強は4年生あたりから長期間にわたって進めるものであり、ただでさえ子どもの負担は大きくなります。

お子さんによって向き・不向きがありますし、上の子が受験勉強を比較的楽に乗り切ったからといって下の子が受験勉強に向いているとは言えないのです。

また、私立の中学校なら良い、公立の中学校は良くない、などと一概に言える問題ではなく、ここもお子さんの性格等も踏まえて慎重に決めなくてはならないでしょう。

さらに、そもそもお子さんが多ければ多いほど金銭的な問題もあるかと思いますし、絶対に兄弟姉妹の全員に中学受験をさせなくてはならないと考えると親としてもプレッシャーが多くなってしまいます。

このように、中学受験は必ずさせなくてはならないものではなく、これは上の子が受験をした場合でも例外ではありません。

あくまで個々の事情を鑑みて判断すべきであり、「必ずこうしなければならない」という問題ではないことはまず意識しておく必要があります。

兄弟姉妹で受験をさせるべき?考えておきたい4つのこと

中学受験の試験を受ける小学生

ここまでの話を大前提として、以下、考えておくべきポイントを整理します。

1.上の子と下の子の向き不向き・学力レベルは冷静に捉える

現実的な話として、勉強に対する向き・不向きは兄弟姉妹の中でも異なります。

勉強が得意な子、勉強が好きな子もいれば、勉強が苦手な子、勉強嫌いの子もいるわけで、こうした向き・不向きは学力レベルにも大きく関係します。

兄弟姉妹の学力があまり変わらない場合もあれば、兄弟姉妹によって学力に大きな差がある場合も見られます。

だからこそ、上の子が受験したから下の子も受験させて良いと安易に考えるのは危険なのです。

上の子が受験に成功したとしても、同じ兄弟姉妹だから全員受験に向いているという保証はありません。

もし下の子が受験勉強に不向きだった場合、上の子と同じように受験勉強をさせるのは現実的に難しいでしょう。

親だからこそ、お子さんの向き・不向きや学力レベルは冷静に把握しなければならず、受験させるかどうかは個別に判断しなくてはなりません。

2.上の子が受験に失敗しても下の子に受験させることはできる

繰り返しますが、勉強に対する向き・不向きや学力レベルは兄弟姉妹の中でも異なります。

だからこそ、上の子が受験に失敗したからといって、下の子に受験させないと考える必要もないのです。

上の子が受験勉強に向いていなかったとしても、下の子は受験勉強で才能を発揮するかもしれません

上の子が受験したから下の子も受験させると安易に考えるのも危険ですが、上の子が受験に失敗したから下の子まで受験させないと考えるのもまたもったいないのです。

受験させるかは兄弟姉妹で個別に判断することであり、これは上の子が受験に失敗してしまった場合も例外ではありません。

兄弟姉妹間のフォローはしっかりしてあげましょう

ただ、上の子が受験に失敗して下の子が受験に成功した場合、やはり兄弟姉妹間でフォローが必要になる場合もあるでしょう。

上の子にしてみたら、自分が失敗した中学受験に下の子が成功したとなると、複雑な感情を抱いてしまう場合もあるからです。

こうした感情は何もおかしなことではないので、そこは親がしっかりフォローし、兄弟姉妹で差をつけず等しく接する必要があります。

そもそも、中学受験に成功したからといってその子どもがすごいという話ではないですし、受験の合否だけで子どもの良し悪しを決めてはいけません。

受験に失敗したからといって他の兄弟姉妹に引け目を感じる必要はないのです。

最終的に勉強は向き・不向きの問題ですので、そこは親が受験に失敗してしまった子どもへしっかりフォローする必要があります。

先ほども述べた通り、現実的な話として子どもの学力レベルは冷静に把握しなければなりませんが、何も学力だけで子どもに優劣をつけるという話ではありません。

ここはぜひ注意していただきたいところです。

3.中学受験をするかどうかは最終的にはお子さんの意思を尊重する

上の子がしたことをやりたがるとは限らない

兄弟姉妹というのは、上の子がしたことを下の子がやりたがるとは限りません。

これは中学受験に限った話ではなく、習い事、趣味など、あらゆる分野に言えることです。

上の子が中学受験をしたからといって下の子が受験に関心を示す保証はなく、逆に上の子が中学受験をしなくても下の子が受験に興味を示す可能性もあります。

このあたりは最終的にお子さんの意思を尊重すべきであり、親が無理に中学受験を薦めたり、無理に中学受験をやめさせたりする必要はありません。

ついつい忘れがちになるかもしれませんが、兄弟姉妹は性格や考え方が全て似ているとは言えないのです。

上の子と下の子は違うという当たり前に聞こえる話も、その都度再確認する必要があるでしょう。

親が提案するときも子どもの意思は尊重すべき

もちろん、中学受験に興味を持ってもらうために親がいろんな話をすることはあるでしょう。

また、やむを得ない事情で中学受験をやめたほうが良い状況になったとき、親から子どもにしっかり説明する必要があるでしょう。

小学生のうちは全て自分で進路を決めることは難しいので、こうした親からの提案はごく自然なことです。

ただし、子どもの意思を無視して何かを強要したりするのは避けなくてはなりません。

また、「上の子がこうしたからあなたもこうすべき」という提案も、強要のような形になってしまうのは避けるべきです。

上の子がしたことで、何か下の子の参考になることを薦めるのは良いですが、それも強要になってはいけないのです。

親が子どもに全くの無関心という状態も危険ですが、あまりに価値観の押しつけばかりするのも好ましくありません。

このあたりは非常に難しい部分ですが、ぜひ注意していただきたいところです。

4. 私立の中学校なら良い・公立の中学校は良くないというわけではない

これも非常に重要なポイントですが、そもそも私立の中学校なら絶対に良い、公立の中学校は良くない、などと一概に言える問題ではありません。

学校というのは子どもの性格に合うかどうかが非常に大切であり、上の子が私立中学校で楽しそうだから下の子も私立中学校に入れれば良い、などと安易に考えるのも危険です。

特に現代は多様な価値観が存在し、公立中学校でも様々な教育が行われています。

私立中学校が公立中学校より絶対に優れているとは言えませんし、そもそも私立中学校が絶対にお子さんに向いているという保証もないのです。

また、周りの同級生と一緒に同じ公立中学校に行きたいと考える子どもも多いでしょう。

そこで中学受験をさせることがその子にとって本当に良いことなのか、親は常に考えなくてはなりません。

このように、私立中学校なら必ず良いという単純な話ではなく、このことは兄弟姉妹がいるご家庭では特に意識しておくべきです。

中学受験をする姉妹

まとめ

今回は中学受験と兄弟姉妹に関する話で、上の子を受験させたら下の子も受験させるべきかどうか、考えておきたいポイントをご紹介しました。

兄弟姉妹といえども、受験勉強に対する向き・不向きや学力レベルは子どもによって異なります。

上の子を受験させたから下の子も必ず受験させるべきとは言えませんし、上の子が受験を楽に乗り切ったから下の子も受験に向いているとも言えないのです。

同じく、上の子が受験に失敗したからといって下の子が受験に向いていないとは言えません。

こうした向き・不向きや学力は親が冷静にきちんと把握すべきであり、兄弟姉妹それぞれに向いている進路は何か、あらゆる点から考えておく必要があります。

また、中学受験に成功したから良いとは言えず、受験の有無や学力レベルで兄弟姉妹に優劣をつけるのは絶対に避けてください。

あくまで勉強は向き・不向きの問題ですので、もし学力の面で子どもが他の兄弟姉妹に引け目を感じているなら、そこは親がしっかりフォローし、引け目を感じる必要などないことを説明しなくてはなりません。

こうした点にも注意し、中学受験をさせるかどうか、あらゆる角度から考えていきましょう。