毎日繰り返される兄弟喧嘩にもううんざり、どうしたらケンカがなくなるのだろう?いつになったら仲良く遊べるようになるの?…とお悩み方も多いのではないでしょうか。
仲良しの兄弟や姉妹でもケンカはつきものです。
ケンカをしてしまうことは仕方がないこと…と分かってはいるけれど、忙しい毎日でケンカの対応をするのは大変ですよね。
ここでは、幼児期に兄弟喧嘩が頻繁に起きる原因や親として兄弟喧嘩にどう対応したら良いのかを元幼稚園教諭の目線からお伝えしていきたいと思います。
毎日の兄弟喧嘩に疲れてしまった…どう対応していいか分からなくて困っているという方はぜひ参考にしてみてください。
目次
幼児期の兄弟喧嘩の原因
毎日のように起こる兄弟喧嘩ですが、幼児期の兄弟喧嘩にはどのような原因があるのでしょうか?
具体的な例と合わせて紹介していきます。
我慢することが難しい…物の取り合いや順番争いのケンカ
おもちゃの取り合いや、順番を争うケンカは、日常生活の中で起こりやすい兄弟喧嘩の原因のひとつです。
3歳~4歳の頃は幼稚園に通い始め、友だちとの関わりが増えていく頃。
集団生活を経験することで「順番を待つ」「相手を思いやり、友だちと仲良く遊ぶ」といった行動が身につく一方で、まだまだ我慢することが難しい場面があります。
「お兄ちゃんがおもちゃを貸してくれない!」「私が先に使っていたのに○○ちゃんが取った…!」など、貸すこと、待つことができないというケンカは日常のさまざまな場面で発生します。
幼児期に多いこのタイプのケンカですが、成長にするにつれ徐々に減っていく傾向があります。
兄弟(姉妹)はライバル?1番を争って起こるケンカ
兄弟や姉妹は1番近い存在でありながらも、無意識にお互いをライバルだと認識しています。
妹より弟より多くおやつがほしい、お兄ちゃんやお姉ちゃんよりも褒めてもらいたいなど、相手に負けたくないという強い感情がケンカに発展することも。
子どもたちはみんな、パパやママにとっての1番になりたいものです。
自分より兄弟のほうがたくさん褒めてもらっている、愛されている…と感じると気を引こうとして問題行動に出ることがあります。
特に上の子は下の子が生まれて、今までは独り占めしていた両親からの愛情が弟、妹に向けられていると感じるとわざとイジワルをしてケンカになることもありますよね。
親としては平等に接し、お兄ちゃん、お姉ちゃんの精神面のフォローをしているつもりでも、思うように親の気持ちが子どもに伝わらず、悪循環に陥ってしまうこともあります。
兄弟喧嘩にはどう対応したら良い?効果的な3つの対処法と心構え!
では、毎日繰り広げられる兄弟喧嘩が起きた時に、どのように対応したらいいのでしょうか?
効果的な対処法と心構えを紹介していきたいと思います。
すぐにどちらが悪いと決め付けない!じっくり子どもの話を聞く
なかなか解決しない兄弟喧嘩を止めに入るとき、どちらが悪いと決め付けて怒っていませんか?
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)だから我慢しなさい」「○○ちゃんが悪いよ!しっかり謝って仲直りしよう」など、どちらかが悪いと勝手に判断し、無理に仲直りをさせることは、子どもの心を傷つけ、同じケンカを繰り返す原因を作っている可能性があります。
兄弟喧嘩はいつの間にか起きているもの。喧嘩に至った経緯やその背景にある子どもの思いに親が気付いていない可能性があります。
喧嘩のやりとりを聞いただけで、原因を特定してしまうと、子どもは自分の気持ちを分かってくれない…と感じて傷つき、行動がエスカレートする可能性があります。
大事なことは「じっくり話を聞いてあげること」どうしてケンカになってしまったのか、どんな気持ちだったのか、どうしたかったのか、丁寧に聞くことがケンカの解決と再発防止に欠かせないことです。
パニックになっている時は、1人ずつ場所を変えて気持ちを落ち着かせてから話を聞くことも効果的な方法です。
解決策は提案せずに一緒に考える
兄弟喧嘩は毎日、毎日同じような内容ばかり…ケンカを止めに入るときに、お互いに謝るよう声掛けしてすぐにケンカを収束させたり、解決方法を提案したりと安易に解決していませんか?
その方法は、子どもが同じような兄弟喧嘩を繰り返す原因になっている可能性があります。
お互いに謝るということは、ケンカの解決には欠かせないものですが、一番大切なのは、謝ってケンカを解決するまでの過程です。
ケンカの度にすぐに謝るよう声掛けをしていくと子どもたちはケンカをしても、とりあえず謝ればいいんだ…という考えになり、根本的な問題が解決しないままケンカを終了するようになります。
解決方法を提案し続けた場合も同じです、言われたことを言われたままに行動にうつしていると解決策を自分たちで考える力が身に付きません。
おすすめの対処法は「解決法を一緒に考える」ことです。
具体的な手順としては、子どもの話をじっくり聞いて気持ちを受け止め、共感した後に、
「でも、けんかしたら○○くんも○○ちゃんも嫌な気持ちになるよね?どうしたら良いと思う?なんていったら良いのかな?」
と声を掛けて、ケンカの後味の悪さを改めて認識させた後で、どのように解決し、ケンカを予防したらいいのかを子ども自身が考える時間を設けます。
もちろん、子どもが提案する意見に無理がある場合もあります。
そんな時は子どもの提案を受け入れた上で、適切な解決方法に導くなど、手助けをしながら一緒に解決方法を見つけていきましょう。
喧嘩を止めずに見守ることも大事
おすすめ対処法の3つめは「ケンカを見守ることを大切にする」です。
子どもが2~3歳の時は自分の気持ちを上手く表現できずに手が出てしまうことも多いので、喧嘩の仲裁が必要な場面も多くあります。
4歳~6歳になると、発達に個人差はありますが、自分の気持ちを言葉で上手く表現できるようになり、けんかの解決策を自分たちで考えることができるようになります。
怪我をする可能性がある場合やパニックを起こしている時は仲裁や手助けが必要ですが、そうでない場合は、時間がかかるかもしれませんが、耳を傾けながらもケンカを見守ることも大切です。
自分たちで解決する経験を積むことで、どうしたらケンカが起きないのかを子どもたち自身が考え、徐々に同じようなケンカをすることが少なくなってきます。
兄弟喧嘩を通して学ぶことも!
ケンカをすることは、悪いことばかりでなく、兄弟喧嘩を通して学ぶこともたくさんあります。自分の気持ちを伝えること、相手の気持ちを考えること、問題を解決する力は、ケンカを通して身に付いていきます。
子どもたちの成長のチャンスでもある兄弟喧嘩ですが、今よりも少しで良いからケンカの状況が落ち着いて欲しいですよね。
ケンカの原因を知り、正しい対処法を身につけ、家族みんなが笑顔で楽しく過ごせる時間を増やしていきましょう!