健康に問題のないお子さんでも中学受験挑戦にあたっては、親御さんも本人も様々な決断を迫られます。
ましてお子さんが健康面の不安をかかえている場合の中学受験は、踏み切って本当に大丈夫なのかと躊躇われるお母さんも少なくないと思います。
今回は病弱児・虚弱児(※)の中学受験を成功させるために、挑戦前にぜひ確認してほしい5つのことをご紹介します。
(注)本記事でいう病弱児とは、喘息などの慢性疾患があり継続的な治療や生活習慣の規制が必要な子どもたち、虚弱児とは病弱もしくは持病のある子どもたちを指します。
目次
小学校の学習内容をきちんと理解できているか?
学校をお休みすることの多いお子さんの場合、それでも問題なく小学校の授業についていけているか、教科書レベルの学習理解に穴はないかをまず確認しましょう。
中学受験の学習は高度なものになる
中学受験のための学習は小学校の学習より数段高度なものになります。
学校の授業の理解が不十分だといくら勉強しても効率よく成果を出していくのは難しくなります。
もし健康面に問題のないお子さんならやる気次第で多少の無理も効きますが、病弱児・虚弱児のお子さんの場合は、体力的に無理をさせると今維持できている健康状態まで損なわれてしまう恐れがあります。
必要以上の無理をさせないよう、中学受験の前提となる基礎学力が備わっているかをきちんと確認しましょう。
中高一貫は授業スピードが速いので遅れないように
また中高一貫の進学校は一般的に授業の進度が早いので、多少学校をお休みしたとしても自力で遅れを取り戻す習慣がついていないと、せっかく志望校に合格しても授業についていけなくなる可能性があります。
お休みしてしてしまった分の学習は自分の責任で取り戻すという意識と習慣を小学生のうちから身につけておくことが大切になります。
塾の予習や復習を短い時間でこなせる集中力があるか、暗記が苦手ではないか?
せっかく塾の授業を受けても、受けっぱなし、習いっぱなしでは成績も思うように伸びていきません。
自宅では学習だけでなく休息もしっかり取る
自宅学習で塾の予習や復習に十分時間をかける必要があります。
しかし病弱児で成長も遅れがちなお子さんの場合、小学生の間は最低でも8時間、できれば10時間の睡眠を確保して、成長ホルモンの分泌を促したいところだと思います。
生活のリズムを崩さない
喘息のような慢性疾患の場合、疲れを溜めることで発作が起きてしまうこともあります。
なるべくいままでの生活リズムを崩さず、受験勉強に取り組むことが大切になります。
塾の予習や復習を短い時間でこなせる集中力が必要
中学受験合格には予習や復習、暗記モノを短時間でこなせる集中力と器用さが必要になります。
小学校の高学年は身体の成長にとっても大切な時期です。
成長を損なってしまうような無理は極力避けるようにしましょう。
成長にともなって丈夫になってきている、という実感があるか?
小学校に入る前は長期の入院をすることもあったが、小学校に入ってからは入院しても2、3日で退院できるようになってきた、薬で発作のコントロールができるようになってきた。
そういえば今年に入ってから一度も熱をだしていないなど、成長にともなってお子さんが丈夫になってきているという実感はあるでしょうか。
高学年になると学習量が増える
6年生にもなれば、受験塾の授業は週4日ほどに増えますし、授業とは別に隔週でテストをおこなう塾も多くなります。
それらの授業の予習復習、テストの準備を学校に通いながらこなしていくのは、並大抵のことではありません。
もし、まだ小学校に通うだけで精一杯のようだ、体力的な改善はまだ感じられないとお母さんが思うのなら、今はまず体力をつけましょう。
確かな基礎学力を身につけることを目標に、規則正しい生活をすることからはじめるのも選択肢の1つではないかと思います。
本人が本当に中学受験を望んでいるのか?
お子さん本人が本当に受験を望んでいるのかを確認しましょう。中学受験は競争です。
成績が伸び悩む時期などは精神的にも本当にきつくなります。
そんな苦しい時も病気を言い訳にせず頑張り続けられるか。
お母さんが代わりに頑張る、というわけにはいかないこと。頑張れるのはあなただけなのだということを一度話してみるといいですね。
がんばらない中学受験という選択肢もあることを知っておく
小学校で習う基礎的な内容をしっかり理解できていれば、受験塾には通わず、家庭教師や通信教育を利用した家庭学習で十分合格可能な中学もあること、病弱児・虚弱児を積極的に受け入れている学校や、2科目受験の学校もたくさんあることを知っておきましょう。
志望する中学に入学することは目的ではなく、お子さんが望むような中学校生活を送るための手段です。
中学校での生活を充実させるためにも健康を損なってしまうような無理はしない、お子さんに合った中学受験の方法を選択したいですね。
まとめ
中学受験はどんなお子さんにとっても大きな試練ですが、悲壮感を持って挑まなくてはならないというものではありません。
健康面に不安があるお子さん、虚弱児・病弱児のお子さんも、もし行きたい学校があるのなら、ぜひ自分に合ったやりかたでチャレンジしてほしいなと思います。