年々その割合が増加している中学受験は、まさに親子で挑む一大イベントです。
勉強を始める時期や勉強方法、塾選び、志望校選択と、色々考えることがありますが、中でも、多くの人が不安に思っているのが家庭学習についてではないでしょうか。
塾で勉強ができても、家ではなかなか始められない、集中できない、なんて話もよく耳にします。
そこで、2人の子どもの中学受験を経験した筆者が、「これは良かった!」と感じたり、「やっておけばよかった!」と痛感した、中学受験をする子どもの家庭学習で低学年から気を付けたいポイントをご紹介します!
目次
家庭学習の「習慣」をつけよう
中学受験の勉強は、学校の内容に比べて難易度が高く、受験勉強に費やす時間も多く、期間も数年にわたります。
また、中学受験のための塾に通うようになると、通常、週に2日~4日は塾で勉強をするようになりますが、塾に行かない日は当然、家で勉強しなくてはなりません。
そこで、大事になってくるのが、「家庭学習」です。
決まった時間に「勉強」する習慣をつける
勉強の内容は、学校の宿題や、習い事の宿題など、低学年の間は何でも構いません。
決まった時間に机に向かい、時間を決めて勉強することで、「勉強をする習慣をつける」ことが大切だからです。
またこの時に勉強時間を測るようにしましょう。
勉強時間を計測にしよう!
100円ショップなどで売っているキッチンタイマーなどでよいので、「この1ページを5分でやろう」など、時間を決め、タイマーをセットして取り組みます。
お子さん自身がタイマーをセットし、スタートボタンを押して取り組みます。子どもにとっても、ちょっとしたゲーム性があって集中できるようです。
中学受験では、普段の家庭学習や宿題も、時間を測るように指導されます。
その前段階としても、普段から勉強するときに時間を測ることは有効です。
朝学習の習慣をつける
「勉強の習慣」で、特におススメしたいのが、「朝学習」です。
低学年なら10分でも良いので、まず習慣化することが大切です。
塾の先生によく言われたのが、
「毎朝30分、7日間の朝学習をすれば、それだけで210分、3時間半の勉強時間が取れます!」
です。
家庭学習の時間を取るのは難しい
学校の宿題や、塾以外の習い事などで、子どもって意外と忙しいですよね。
学年が上がると、なおさら勉強時間を取ることが難しくなります。
そうなってから「朝学習」しようとしても、なかなか難しいのです。
低学年のときから、『朝の決まった時間に勉強する』習慣をつけておくと、受験勉強が本格化してから、とても役立ちます!
家庭学習のルールを決める
中学受験は、当然のことながら「小学生」が受験生となるので、まだまだ大人のサポートが必須です。
家でおこなう『家庭学習』では、なおのこと。
そこで、ぜひ実践していただきたいのが、お子さんと『家庭学習のルール』を決めることです。
- 朝起きたら〇分勉強する
- 夕食前の30分と寝る前の30分は勉強する
- 解けなかった問題を3日後にもう一度解く
など、親子で話しあって最初に決めるのです。
『30分勉強したら5分休憩』、など、ダラダラ勉強しないためのルールや、『夜9時に寝る』など、規則正しい生活に関するルールもいいですよね。
そして、まずは、塾や習い事のない平日のスケジュールに組み込んで、実行してみてください。
中学受験は、勉強すべきことが本当にたくさんあるので、計画性をもって取り組むのがとても重要です。
スケジュール通りにできたら、シールなどで「できた」ことを可視化すると、子どものモチベーションもあがります。
なんでも学びの材料にしよう!
中学受験の内容は、学校の勉強に比べて量も膨大です。
中学受験をすると決めると、多くの人が中学受験塾に通うようになりますが、低学年のうちから少しでもその基礎を作っておけるといいですよね。
そこで、ここでは、中学受験を決めた4年生以上のお子さんはもちろん、低学年のうちでもできる「いつでも学べる環境づくり」をご紹介します。
テレビの近くに地図帳を置く
これは、塾の先生が教えてくれた方法です。
テレビを見ていると、ニュース番組はもちろん、バラエティー番組などでも日本の各地や、海外の話題が出てきますよね。
そんなとき、さっと地図帳を取り出して、その場所を地図で調べるのです。
地理の知識はもちろん、地図の見方も自然と身に付きます。
高学年であれば、ニュースなどは時事問題に直結します。
勉強以外の時間にも、自然と「調べる力」と「地図知識」、「時事問題」が身に付くのでおススメです!
料理の計量をまかせてみる
中学受験の最重要科目「算数」には、いろいろ単元がありますが、その中で「単位」は感覚的に身につけておくのと、おかないでは、その後の理解が変わってくるといいます。
たとえば、料理をするときに、レシピにある「5㏄」のお酢を子供に測ってもらう、「200ml」の牛乳を測ってもらいます。
すると、量の単位を感じることができますよね。
庭の草木にお水をあげるのに、バケツに5ℓの水を用意すると、200mlの牛乳との違いを感じることができます。
料理の他にも、テレビの横幅をメジャーで測る、手元にある鉛筆を定規で測るなど、メジャーや定規を使って長さの感覚を掴むのもよいです。
このような、長さ、重さ、かさ、などの『感覚』を掴む練習は、塾の先生からも勧められました。
花や虫も本物を見る
中学受験では、大人でも知らないような花の名前や仕組み、昆虫の名前や分類などの知識も多く問われますが、テキストや問題集にある写真や挿絵で勉強しても、なかなか頭に入らないようです。
やはり、本物を体験するのに勝る勉強法はありません。
受験勉強が忙しくなる前に、できるだけ、花や木、昆虫や動物など、実際に目でみることをおススメします。
花が咲く季節、種の形、虫の鳴き声、土の中の幼虫。
家の周りにいる動植物でいいので、実際に体験させてあげてください。
食料品の産地もチェック
中学受験の社会では、農産物の生産地域も知識として必要になります。
もちろんテキストにその答えはありますが、せっかくですから、スーパーで買ってきた野菜やお米、お肉の産地を親子で確かめてみてください。
種類や季節によって、産地が違うことが実体験で身に付くチャンスです。
低学年であれば、調べたことをまとめて夏休みの自由研究にすることもできそうです。
テストを嫌なものにしない工夫をする
中学受験のために塾に通うと、よくテストを受けるようになります。
単元の確認テストといった小テストレベルから、数か月に1回の頻度である実力判定テスト、受験年になれば合格判定テストなどなど。
もちろん、受験生活に入ってから塾から課される“テスト”を受ければ、受験本番までにテストに慣れることはできますが、塾に通う前から、“テスト”を経験するのも一考です。
おすすめは漢字検定
年2回行われている、全国統一小学生テスト(無料)などもそうですが、おススメなのは漢字検定です。
漢字検定は、小学1年生終了程度が10級、小学2年生終了程度が9級、と、低学年でも受けやすい設定となっています。
そして合格した暁には、「合格証」がもらえ、自信がつき、次のステップへ挑戦したくなります。
中学受験の社会では、小学校で習っていない漢字でも、漢字で解答しなければならない問題も出てきます。
その点からも、勉強次第では漢字の勉強を先に進めておける「漢検」はおススメです。
低学年の内に家庭学習の習慣化を
今回は、中学受験をする子供の家庭学習について、特に低学年から気を付けたいポイントをご紹介しました。
中学受験は、内容も難しく、量も膨大なため、計画性が大切です。
そのためにも、低学年のころから、親子で決めたルールを守ることや、時間を意識して行動することを自然とできるように練習することが大切です。
また、身の回りにある動植物や食材、家庭用品など、色々なものに興味をもち、経験し、わからないことは調べることも、その後の受験勉強にとても役に立ちます。
本格的な受験勉強を始める前に、ぜひご紹介した方法で、家庭学習の習慣化にトライしてみてください。