我が子に少しでも良い教育環境をとお考えのご家庭では、私立小学校だけではなく、国立小学校をお考えの方も多いと思います。
筆者の周りにもとりあえず抽選だけチャレンジしたという方もいらっしゃれば、ここの学校に入れたいから指定通学区域に引越しをした、という方までその熱量は様々でした。
しかし国立小学校には抽選がある学校もあり、その倍率は50倍とも言われています。
その抽選に関してはもう運頼みしかありませんが、一次抽選を通ってしまえば二次考査に関しては過去問等も出ているので様々な対策が取れ、準備をしておくことで通過率も上がります。
では、国立小学校の考査とはどの様なものがあるのでしょうか?
ここでは、我が子二人の小学校受験経験から、どの様な子が国立小学校に向いているのか、また合格に向けてどのような対策をしたらいいのかをお伝えしていきます。
目次
国立小学校の試験内容
都内の国立小学校では一次抽選、二次試験、三次にまた抽選という学校が多く、先ずは抽選に通らなければ試験に臨む事も出来ません。
せっかく準備してきたのに試験も受けられず終わるのは可哀そう、という事で私立小も受けておくご家庭が多いです。
そして抽選を通った後に行う二次試験にはペーパーや運動、工作を行う学校、ペーパー試験は無く先生と質疑応答、ゲームやお遊び等をしている様子を見られる行動観察、その他に親の面接や面接無しで小論文の様な物をその場で書かせる学校もあります。
では、頻出されている問題に関してどの様な物があるのかみていきましょう。
熊歩き
有名なのが筑波大学付属小学校で必ずと言っていい程毎年出ているのが熊歩きというものです。
熊歩きとは四つん這いになり膝を付けずに走るもので普通に走るよりも手足を使い体幹が重要になってくるので身体能力をみるのにうってつけの課題なのでしょう。
筑波小だけでなく他の小学校でも頻出している課題です。
図形
ペーパーテストでの分野に図形の問題があります。
重ね図形、点図形や鏡にうつしたらどうなるかの線対称図形、元の図形を90度回転させたらどうなるかの回転図形。
筑波小は難問を多くこなすスピード力を必要としますので、国立小単願のご家庭は、是非年長に入りましたらタイムを測って問題に取り組むようにしてみてください。
お話の記憶
長いお話がテープで流され、その後8~10問程の質問に答えるという問題が毎年出題されています。
筑波小は例年とても長いお話だそうです。
お話の記憶は私立小でも殆どの学校で出ているので、是非対策を進めてください。
お茶の水小の様にノンペーパーの学校でもお話を先生が読んで、その後質疑応答としてそのお話の事を聞く学校もあります。
工作
コップ積みゲームの様なものから絵本を作る課題まで様々ですが、手先を使い何かを作る巧緻性を見る問題です。
子ども達は楽しみながら対策出来る分野ではないでしょうか。
しかし、試験の時の工作は一度で先生の説明を聞き覚え、その通りに作らなければなりません。
また制限時間や緊張などもお子さんによっては影響してくるかもしれません。
特に難しい事をやる必要はありませんが、早めに対策をしておきましょう。
ノンペーパーの学校ではこの工作やお絵描きの時間に先生から口頭試問がある場合が多いので、自分の作品の説明やポイントを伝えられるように練習してみると良いかもしれません。
国立小学校の受験対策!〜運動・工作・ペーパー〜
それではその具体的な対策とは何をしたら良いのか、三つの分野に分けてご説明させていただきます。
筆者は基本的に沢山遊んで遊びの中で鍛えられると考えていますので、参考にしてみてください。
運動の対策
お子さんがハイハイの時から、もしくはその前から沢山動いて全身を使って沢山遊んでおきましょう。
国立小学校に関しては裸足で公園を走り回る位元気な子が大好きだと思います。
砂の感覚、芝生の感覚、公園遊びは沢山してください。
しかし、公園遊びに毎日連れて行けない!という親御さんもいらっしゃいますよね。
我が家もそうでしたが、それでも大丈夫です。
幼稚園の園庭も広くはなく、決して走り回れる広場に毎日通っていたというわけでもありませんが、国立小の運動会では選抜リレーに選手として選ばれ走ることが得意な小学生です。
目標やルールを作って楽しみながら遊ぶことが大切!
幼稚園の頃から走り込みを毎日やっていたとか、公園に毎日通っていたわけではありませんでしたが、毎朝送迎バスを待つ15分~30分早く外へ行きボール遊びや縄跳び、ストライダー等で遊んでいました。
園庭にある上り棒の一番上まで行く事を目標に毎日の様に上っていたこともあります。
年中の頃からは体操教室に週一回通っていたこと位しか対策はしておりませんでした。
そして週末は近くの公園に行って遊ぶことが対策にもつながっていたのかもしれません。
例えば、鬼ごっこで親子真剣に勝負するをするのもおすすです。
その他にも、色鬼、氷鬼、缶蹴り、ボールをつきながらリレー。
体操教室に通い始めてからは教室でやった指示走という、ここまではケンケンパーで進みここからは走って、この場所にタッチしたらスキップで帰ってくる!という指示を始めに出し、よーいどん!でやってみる等も楽しみながら取り入れてみました。
キャッチボールはやったことのありなしが差に出やすい!
また、キャッチボールもとても大切です。
これはやってる子とやってない子の差が歴然です。
是非一度お子さんとキャッチボールをしてみてください。
投げ方や取り方は教えて練習するとすぐ出来るようになるはずです。
国立小だけでなく私立小での試験でもよく出る競技です。
小さなボールやお手玉の様な物を投げる的あての様なことや、傘袋に空気を入れて長細い風船を作りそれをどれだけ遠くに飛ばせるか競うゲーム形式のものなどもあります。
そのような試験が出た場合、肩の使い方を知っていて上手く投げられるとお子さんも自信が持てて、その後の考査もいつも以上の力が発揮できるかもしれません。
工作の対策
手先の巧緻性を見る工作。
想像力を見る工作。
説明を初めに聞き「はじめ」の合図で作り始め、指示を聞き理解し覚え、それを実行できるかをみる工作。
工作と言っても様々な事を小学校側は見ています。
しかしここでの工作に関する対策も『遊び』が大切になってきます。
我が家ではリビングに廃材ボックスを作り、新聞紙やトイレットペーパーの芯、ティッシュボックスやお菓子の空箱、紙皿や紙コップなど、常に何か材料を入れておきました。
その隣にはお道具箱を置き、はさみやのり、テープ、マジック、ボンド、クレヨンなどを入れて子供が空き時間にすぐ何か作れるようにしておきました。
年齢に関係なく遊びながら工作に取り組んでみましょう
お子さんが小さい場合は折り紙をちぎって(破いて)ちぎって、ちぎって・・・ということが多いかもしれませんね。
そのあとは、指にのりを付けて貼る、クレヨンを持って色を塗ってみるなどしてみてください。
これらを紙皿に貼ってライオンのたてがみにし目などをクレヨンで描く、もしくはお魚の形に厚紙を切っておき、その上にちぎった折り紙を貼るなどすると、作品が出来上がります。
または、クレヨンでお絵描き、色塗りこれらを積極的にやる、それだけで十分です。
もう少し大きくなったらはさみを持ち切るという工程を加えたりしながら、色々な作品を作ってみてください。
そして是非それを家の壁に貼ったり、飾ったりしてあげると家の中が美術館みたいになり、お子さんもモチベーションもあがるはずです。
次はこうやってみよう、ああやってみよう等、お子さん自信でも自分の作品を見て考える事が出来ます。
また親としても成長を感じる事もできますのでおススメです。
ペーパーの対策
もうお分かりかと思いますが、ここでの対策も、先ずは遊びです!
いきなりドリルを解くのではなく、実体験を沢山積む事を心がけていただきたいです。
例えば、野菜の切り口を問う問題があります。これは普段からお料理のお手伝いをしていればすぐに分かりますが、実際野菜を切った事の無い子に説明してもなかなか理解し辛く、記憶に残りません。
我が家では毎週水曜はカレーの日、日曜の朝はパンケーキの日として子供と一緒に作る事を決め、どんなに忙しくてもその日だけは一緒に作りました。
楽しく記憶に残る工夫をしてみましょう
また四季の問題では、ひな祭りやお正月等季節の行事を家で欠かさず行い写真に納め、またその思い出を絵に描いてみるなどして子供の記憶に残りやすいようにしていました。
図形は、実際に箱を厚紙で作ってみたり、線対称図形なら鏡を実際持ってきて置いて見せたりと、実体験後にペーパーに取り組む子どもの理解するスピードも速く、より覚えられます。
どの様な学校を受ける時もそうですが、対策の為に是非一度本屋さんで過去問を覗いてみてください。
色々な出版社の過去問、対策本が出ています。
どの様な問題、課題が出るのかそこを一度親御さんが読んでおくと対策のゴールが見えるはずです。
教室通いをしていなくてもするつもりがなくてもお家での対策の指針となります。
高倍率の国立小学校に向いているのはどんな子?
それでは国立小学校に向いているのはどのような子なのでしょうか?
よく言われているのは体を動かす事が好き、子供らしく毎日公園で暗くなるまで遊んでいるような子です。
遊ぶ事が大好きで何事にも興味深々!積極的に取り組む姿勢のある子が好きなのではないかと考えます。
実際、周りのご家族を見ていても家族で様々な経験を積極的にしているようなアクティブな方が多い印象です。
逆に小学校受験の為に対策をし過ぎてしまい、作りこまれている感じがしてしまうと面接のある学校では印象が良くなかったりするので、子どもらしさがある方が好まれるのかもしれません。
教育ママタイプではなく伸び伸びと育てています!というスタンスで面接には臨んでください。
しかし入学して見て分かった事は色々なお子さんがいるという事です。
我が子が入学したのは運動に力を入れている学校ですが、皆が運動神経抜群なのかと言うとそうでもなく、大人しい子や運動があまり好きでは無い子もいました。
また虫や自然が大好きな子が多いですが、そういうのが苦手なお子さんもいます。
対策のためにも運動が大好きな子に育てようと思うのではなく、お子さんの興味や好きな事を広げてあげると良いかもしれません。
お行儀は良いに越した事ありませんが、そこばかり気にしなくても良いと思います。
親御さんが率先して挨拶をする姿、人の話を丁寧に聞く姿をお子さんに見せたら、きっとお子さんもその様になっていくはずです。
最後に
いかがでしたでしょうか?
国立小は高い倍率はあるものの、教室に通わないと合格しないような私立難関校というわけでもありません。
ただ、教室に通うと的確な指導と過去のデータから有益な情報をいただける所が良い点ではありますが、通っていない方もまた抽選に通ってからの短期間だけしか通わなかったという方もいらっしゃるので、門戸は広いと思います。
こちらの記事が少しでも皆様のお役に立つ事があれば幸いです。