子供同士のケンカやトラブル!学校に相談するタイミングと親が取るべき対応

子どものトラブルは小さなものであれば日常茶飯事といってもいいかもしれません。

しかし、それをそのままにしておくと、いずれ大きなトラブルに繋がり、解決が難しくなってしまうこともあります。

しかし、親としてはどこからトラブルに介入するかという判断は難しいものです。

今回はそんな子ども同士のトラブルについて、教諭としての経験からどう対処していくべきか、一緒に考えてみていきましょう。

様々なトラブルの種類!トラブルによって対応を変えよう

 『トラブル』と一言でいっても様々なトラブルがあります。

トラブルの種類や、子どもの年齢、起こった場所などによって、どう対応するかを変えることが、トラブルの早期解決につながったり、恨みを残さず解決したりすることができるでしょう。

まずは、トラブルの種類によって、対応を考えてみます。

子どもが学校でケンカしたときに親がとるべき対応

順を追って話をよく聞く

 子どものトラブルの中でも多いのが、学校でケンカした場合ではないでしょうか。

学校から帰ったら、「今日学校で友だちとケンカした」と聞いた場合、まずは子どもの話をよく聞いてみましょう。

誰とケンカしたのか、どうしてケンカになったのか、ひとつずつ順を追って詳しく聞きます。

子どもは時間が経ってしまうと、記憶が曖昧になり、正確に状況を説明することが難しくなります。そのため、後回しにせず、なるべく早めに状況を確認しましょう。

その時、子どもの言うことを正確に把握することが大切になります。

そして、その話を鵜呑みにせず、あくまでも自分の子の主張だということを心に留めておきましょう。

子どもの場合、話が大雑把になりやすく、大切な部分が抜けていたり、言われた言葉を違う意味に解釈したりとケンカの相手や第三者と意見が相違している場合があるからです。

これは映像や音声、文章などが残っていない限り、記憶だけが頼りとなるため、真実を掴むことは難しいでしょう。

ですが、自分の子が言っていることをまずは信じてあげてください。ただ、どちらが正しいかが分からない限り、どちらにも非があると理解しましょう。

まずは様子を見る

では、子ども同士のケンカに親は介入すべきなのでしょうか。

これは状況にもよりますが、特に早急に解決しなければいけないような状況でなければ、一旦そのケンカの行く末は見守ってみましょう。

子ども達のケンカの多くは、自分の主張と相手の主張が違ったことによる気持ちのぶつかり合いで起こります。

子どもたちはそのようなぶつかり合いをしながら、自分と相手の主張をすり合わせることを学んだり、自分たちで解決する方法を身に付けたりしていきます。

学校などでは先生方も様子は見ていますし、お友だちや年上の子が見ていて、仲裁してくれることもあります。

いじめでは?と思ったら、迷わず学校に連絡する

ただし、暴力や悪口を言われたような場合や一方的な攻撃をされた場合には、まず学校に連絡し、状況を確認や情報の共有をしましょう。

ケンカはあくまでも対等な関係で起こりますが、一方的な攻撃はいじめになります。

学校に連絡をするときは、冷静な対応をとりましょう

電話をする時には、子どもに聞いたこととして、先生方にお伝えしましょう。

そのときどのような対応をしてほしいかも伝えるとよいと思います。

例えば、「事実確認はしてほしいが、謝って欲しいわけではなく、その後の様子を見守ってほしい」「仲直りしてまた一緒に遊びたいようなので、仲直りの手伝いをしてほしい」など、子どもと今後どうしていきたいか話して伝えると、学校側としても対応しやすいです。

もちろんそのような話が保護者からない場合でも、学校側としては子どもにどうしたいか、確認すると思います。

しかし、子どもたちは先生に気をつかってしまうものです。距離を置きたいと思っても、仲直りした方が先生はいいのかな、と考え、いやいやながら仲直りしてしまうこともあります。

親の方が子どもたちは素直に自分の気持ちを伝えやすいかと思いますので、まずはお子さんとよく話し合ってから連絡を入れましょう。

学校に連絡を入れる場合には必ず子どもの許可を取りましょう

なかには学校に連絡されることを嫌がる場合もあるかもしれません。

そのような場合には、連絡しないと約束し、もし嫌なことが続けば連絡するよ、などの決まりをつくるとよいかと思います。

ただし、もし子どもが嫌がっても、親から見てあまりに悪質な場合などは、子どもに内緒で学校に連絡しておきましょう。

年齢が上がるにつれ、悪口や嫌がらせは大人に見えないところでされるケースが多くなります。

先生も把握していない場合が多くなりますので、子どもに聞いたことを伝え、子どもには連絡したことは内緒にしてほしい旨を伝えましょう。

そうすれば、先生方もそれ以上事態が悪くならないように密かに動いてくれるはずです。

間違っても直接相手の親と連絡をとることは避けましょう。余計話がこじれます。

子どもを信じ、共感し、時にはアドバイスをしてあげる

そして、親ができることとして大切なのは、子どもの気持ちに寄り添い、共感してあげることです。

そして、今後どうしたらいいのか一緒に考えてあげることです。

仲直りするにも、自分から行くのは勇気がいる行動です。

もし許してもらえなかったら、など不安があると子どもはすくんでしまいます。

もしダメだったとしても、安心して戻れる場所をつくっておきましょう。

学校で子どもが友だちを怪我させてしまったときに取るべき親の対応

状況を正しく把握する

学校で病院に行くような怪我をさせてしまった場合、担任の先生から経緯についての連絡がいきます。

ただ、その前に子どもが先に家に着き、親に友だちを怪我させてしまったことを伝えていることが多いのではないかと思います。

まず、子どもから怪我をさせてしまったことを聞いたら、しっかりと話に耳を傾けましょう。

怪我をさせてしまった場合、子どもも親に言いづらさがあります。それを、勇気を持って話していますので、話の途中で怒ったり、声を荒げたりしないように気を付けましょう。

先生から連絡がきたら、もう一度詳しい話をきいて、先生のアドバイスに従いましょう。

直接謝罪する場合は早急に、丁寧に

多くの場合、先生方からは直接謝罪に行くことをすすめられるかと思いますが、そのような話が出なければ、直札謝罪しに行ってもいいか、確認してみましょう。

そこで、相手方の都合なども聞いて、謝罪の場を調整することもあります。

謝罪は基本的には当日中、遅くとも翌日には直接家にお伺いします。その時、子どもも一緒に連れて行き、直接謝罪させましょう。

怪我をさせてしまった子どもも、怪我をさせてしまった時はびっくりして十分に謝れておらず、モヤモヤを抱えていたり、相手の怪我が気になったりしているかと思いますし、相手の親にもきちんと怪我させた本人が謝罪をすることで、誠意が伝わるかと思います。

また子どもも謝罪により、許されたことが分かれば安心して元の生活に戻ることができます。

今後を見据えた行動をする

怪我させてしまったとなると、親もびっくりし、慌ててしまいますが、怪我をさせてしまった以上、どのような状況でも悪いことをしてしまったことに間違いはありません。

悪いことをしたら謝罪することを親がまずは見せてあげましょう。

親が謝罪する姿は、子どもにとって衝撃的に映り、その後の行動にも影響を与え、次に何か間違った行動をしそうになった時にストッパーとなるはずです。

そして大切なのは子どもたち同士がその後仲良く遊べる関係に戻れるかです。

子どもたちがまた仲良くできるよう、親同士も丁寧かつ落ち着いた対応をしましょう。

また、謝罪に菓子折りを持っていくとも聞きますが、あくまでも必須のものではありません。ただ、怪我させてしまった側の気持ちを形で表す意味で持参される場合が多いようです。

親として日頃からできること

トラブルは親の知らないところで起こることも多く、子どもから話をきかないと知ることができない場合も多くあります。

しかし、友だちとケンカしたこと、ましては相手を怪我させてしまったことを言うのは怒られるのではないか、という気持ちから言い出せない子もいます。

しかし、そのような場合多少なりとも普段の様子とは違うはずです。

子どもの小さな変化に気づくためにも、日頃からのコミュニケーションが大切です。

特に年齢が上がれば一緒にいる時間は段々と減り、会話も少なくなってきてしまう親子も多いかもしれません。

一緒にいる時間を少しでも多くし、子どもの悩みに気づいてあげられるよう日頃からの親子関係を見直してみましょう。

携帯電話を持つ小学生

トラブルを成長の糧にできるように親も手助けをしていきましょう

子どもが友だちとトラブルになった時、どう対応したらいいか悩む親も多くいます。

子どもからトラブルにあっていると聞くと、親としては穏やかな気持ちではいられないかと思いますが、まずは状況をよく確認し、見守ることを心掛けましょう。

親としてもトラブル時の対応は難しく感じるかと思いますが、冷静に対処している姿は、子どもも冷静にトラブルに向き合う気持ちにさせてくれると思います。

トラブルを通して子どもが自分の非を認め、素直に謝れることや仲直りする力を身に付けられるよう、成長を手助けしていきたいものです。