中学受験!共学校・男子校・女子校どう選ぶ?志望校・併願校の見つけ方

中学受験の学校選び

Designed by Freepik

中学受験で受験校を共学校にするか男子校・女子校の別学にするか、迷ってしまうご家庭は多いのではないでしょうか。

共学校と男子校・女子校でそれぞれどんなメリットがあるか、これからは共学化が進んでいくのかなど、疑問点も多いかと思います。

この記事では、塾講師の経験から、中学受験で共学校を志望するか男子校・女子校を志望するかについて、考えておくべきポイントをお話ししていきます。

志望校・併願校選びの際にぜひ参考にしてみてください。

共学校も男子校・女子校もそれぞれ良さを知って志望校を決めよう!

志望校を共学校にするか、それとも男子校・女子校にするか、これは親御さんにとって非常に大きな悩みとなるでしょう。

特に中学生は思春期も本格化し、異性との付き合い方は成長にも大きな影響を及ぼします。

同性同士で過ごしたほうが気楽なのか、それとも異性と日常的に関わったほうが良いのか、お子さんの性格に合うのはどちらか、どうしても判断が難しくなります。

ただ、ここで考えておくべきは、共学校も男子校・女子校もそれぞれに良さがあるという点です。

どちらかが絶対に良いというものではなく、それぞれのメリット・デメリットを考えたうえで志望校を絞っていく必要があります。

親の経験だけで決めるべきのはNG!

親が共学校に通っていたから子どもも共学校に行かせたい、親が男子校・女子校に通っていたから子どもも同じく男子校・女子校に行ってもらいたい、といった決め方もあると思います。

また、親が男子校・女子校で嫌な思いをしたから子どもには共学校に行かせたい、などの考え方もあるでしょう。

ただ、こうした親の経験だけで子どもの受験校を決めるのは好ましくありません。

もちろん親の経験も大切な要素ではありますが、それだけでお子さんの志望校・併願校を全て決定するのは避けるべきです。

あくまで学校に行くのは子どもであり、現時点での子どもの性格や意思を踏まえて受験校を決めなくてはなりません。

そのためにも、一度フラットな視点で共学校と男子校・女子校のメリット・デメリットを分析することが重要になります。

以下、こうした点も踏まえ、それぞれの強みや特徴を整理していきましょう。

志望校選びのポイント!共学校のメリットとデメリット

男女の違いや距離感を知ることができる

特に思春期の子どもは異性を気にすることが多いですが、やはり男性と女性はいろいろな違いがあるものです。

共学校で日々を過ごすと、こうした男女の違いや、お互いの適度な距離感などを知ることができます。

最近はジェンダーフリーなど、これまで以上に多様性や男女平等が尊重される世の中になっていますが、こうした価値観を尊重する意味でも、男女の違いや距離感を知っておいて損はありません。

異性の存在が身近だからこそ、男女の違いに配慮したり、逆に男女で平等にすべきところできちんと配慮できたり、いろいろな経験ができるわけです。

こうした異性との接し方に慣れておけば、実社会に出たときにも大きく役立つはずです。

過度に異性を気にしてしまうケースもある

異性が身近な存在になることは男女共学のメリットですが、過剰に異性を気にしてしまうケースも見られます。

異性のことが気になって勉強面で集中できなくなったり、過剰に異性に配慮しすぎて自分のことに集中できなかったりなど、学校生活に影響を及ぼすこともあります。

異性が近くにいるからこそ気が休まらない場面もあるため、ここは男女共学のデメリットとも言えます。

もちろん、異性を気にしすぎてしまうのも、また一つの経験ではあります。

その経験を経て自分なりに適度な距離感をつかむこともできるため、絶対的なデメリットとまでは言えないでしょう。

ただ、異性がいるあまり自分のことに集中できない場合もあることは知っておく必要があります。

偏差値が上がる学校と下がる学校の共通点

志望校選びのポイント!男子校・女子校のメリットとデメリット

異性を気にせずのびのび過ごしやすい

男子校・女子校は、それぞれ異性を気にせずのびのび過ごしやすいというメリットがあります。

男性と女性はどうしても違いがあるもので、その違いに配慮したり、異性を気にしすぎたりすることは、思春期の子どもにとって負担になる場合もあるでしょう。

一方で、男子校・女子校はこうした負担がなく、生徒が同性だけの環境でのびのび過ごしやすくなります。

また、学校側としても男性・女性それぞれの特性に合った授業を行うことができ、この点も男子校・女子校の大きな強みでしょう。

こうした授業のもと、生徒は異性を気にすることなく、それぞれの特性を伸ばすことができます。

異性と接する経験はどうしても減ってしまう

男子校・女子校である以上、当然ながら学校生活で異性の生徒と関わる機会はなくなります。

そのため、男女の違いや距離感、異性の価値観などがよくわからない状態で大学に入るケースもあるでしょう。

異性を気にせずのびのび過ごせることは男子校・女子校の大きなメリットですが、大学や実社会で異性との接し方に手間取ってしまう可能性はあります。

ただ、高校を卒業してからでも、異性と接していろいろな価値観を学ぶことは可能であり、中学高校で異性の生徒がいないことが絶対的なデメリットとまでは言えないでしょう。

また、男子校・女子校であっても、学校外の活動などで異性と接することはもちろん可能です。

ただ、学校生活で日常的に異性と関わるわけではないため、その点は注意が必要になります。

共学校にするか男子校・女子校にするか?選択する時に確認すべき5つのこと

ここまでの話も踏まえ、共学校にするか男子校・女子校にするか選ぶ際に考えるべきポイントを整理しておきましょう。

1.お子さんの意思はきちんと尊重する

当然ですが、志望校を選ぶときは子どもの希望や意思を尊重しましょう。

もちろん小学生のうちから全ての志望先を決めることは難しいので、親子で一緒にいろいろな情報を調べて受験校を決める形になりますが、そこで親の希望ばかり押しつけるのは好ましくありません。

様々な理由から親が共学校に入れたい、または男子校・女子校に入れたいと希望する場合でも、まずはお子さんの意思を尊重する必要があります。

中学受験は「この学校に行きたい」という子どもの気持ちが大事であり、きちんとした目的意識があってこそモチベーションも維持できるわけです。

親の希望や価値観ばかり押しつけて受験校を決めても、子どもにとっては納得がいかないでしょう。

そうなると子どもの中で「やらされている感」が増え、モチベーションがなかなか上がらない要因にもなります。

もちろん親の経験から共学校に入れたい、または男子校・女子校に入れたいと考える気持ちは何もおかしなことではありませんが、その価値観だけで判断することなく、まずは子どもの希望・意思をきちんと尊重しましょう。

2.小学校で異性との接し方はどうだったか?

お子さんの小学校生活を振り返り、異性との接し方はどうだったか、いろいろな場面を思い返してみましょう。

お子さんが異性に苦手意識があるようなら、親としては男子校・女子校に入れて異性を気にせずのびのび過ごしてほしいと思うこともあるでしょう。

また、子どもが異性を苦手とする場合、子どものほうから男子校・女子校を希望するケースも多いです。

フラットな視点で共学校と男子校・女子校それぞれの良さを踏まえつつ、子どもの小学校生活をもう一度振り返り、慎重に志望校を絞っていきましょう。

3.男子校・女子校でも学校外の活動で異性と接する機会はあります

先ほども少し触れましたが、男子校・女子校でも学校外の活動で異性を接することはできます。

お子さんが異性に苦手意識があるなどの理由で男子校・女子校に進学させたとしても、学校外の様々な活動を通じ、異性への理解を深めさせることは可能なのです。

普段は男子校・女子校でのびのび生活しつつ、習い事などの活動で異性と接し、無理のない範囲で少しずつ異性の価値観に触れていく、そんなやり方もできるわけです。

このように、男子校・女子校に入れたからといって絶対に異性との接点がないとは言えず、そこは柔軟に考えていく必要があります。

4.男女別学という特殊な学校もある?

國學院大學久我山中学高等学校(以下、国学院久我山)のように、「男女別学」という特殊な指導体制を持つ学校もあります。

国学院久我山は、同じ学校敷地内でありながら男子・女子で校舎が分かれ、男女別のクラスでそれぞれ授業が行われるという特徴的な体制をとっています。

一方で、部活動などは基本的に男女で行われており、男子と女子の接点が全くないわけではありません。

男子と女子それぞれの特性に合った授業を別々に展開しつつ、部活動などを通じて異性と接する機会もあり、他の学校にはない指導体制が特徴です。

共学校にするか男子校・女子校にするか決める際には、国学院久我山のような特殊な学習環境の学校も含めて検討してみると良いでしょう。

5.志望校と併願校で共学校と男子校・女子校が混ざる場合もある

受験校を決めるとき、当然ながら第一志望校に加えて併願校もいくつか決めなくてはなりません。

ここで悩みどころになるのが、志望校と併願校で共学校と男子校・女子校が混ざる場合です。

例えば女子校に行きたくても、スケジュールなどの理由で全ての受験校を女子校にできないケースもあるでしょう。

そうなると、第一志望校や第二志望校が女子校、第三志望校が共学校といった形になる可能性もあるわけです。

このようなケースもあり得ることは、事前に親子でしっかり確認しておく必要があります。

受験である以上、やはり何が起こるかわかりません。

男子校・女子校に行きたくても共学校しか受からなかった、逆に共学校に行きたくても男子校・女子校しか合格しなかったなどの例もあります。

絶対に男子校・女子校に行きたい、または絶対に共学校に行きたいと希望する場合、できるだけ志望校と併願校で共学校と男子校・女子校が混ざらないようにすることが好ましいですが、希望通りに調整できない可能性もあるので注意しなくてはなりません。

このあたりは親子で情報をきちんと共有し、理解を深めておくことが大事です。

決して親が一方的に志望校・併願校を決めるのではなく、お子さんの希望や意思をきちんと確認するようにしましょう。

学校見学をする親子

今後の男子校・女子校の動向は?共学校は増えていくの?!

最後に、近年の男子校・女子校の動向についてです。

男子校・女子校は減っていく?!

最近では男子校や女子校が共学化する例も増え、男女をめぐる教育の考え方も日々変化しています。

特に近年はこれまで以上に男女平等が尊重され、さらにジェンダーフリーといった多様な価値観も増えており、共学校の人気の高まりにも影響を及ぼしている可能性があります。

また、現実的な話として、少子化で子どもが減ることを見据え、より多くの生徒を集めるために共学化するという例もあるでしょう。

一方で、男子校・女子校にもそれぞれメリットや強みがあるのも事実で、依然として高い人気を誇る学校は多いです。

例えば東京の中学受験で御三家といえば、男子御三家が開成中学校・麻布中学校・武蔵中学校、女子御三家が桜蔭中学校・女子学院中学校・雙葉中学校となります。

もちろん御三家以外で人気の男子校・女子校も多く、各学校がそれぞれの強みや特徴を活かした教育を展開しています。

今後、多様性の高まりなどとともに男子校・女子校が減っていくのか、一概に判断することは難しいですが、男子校・女子校ならではのメリットがあるのは事実で、今後も一定の人気は維持されるものと思われます。

難関校は男子校・女子校が多い?

上記で挙げた男子御三家・女子御三家のように、難関校は男子校・女子校が多いイメージを抱く方もいるでしょう。

これにはいろいろな見方がありますが、一般的に思春期の男子と女子は考え方などが異なり、男子校・女子校は男子・女子それぞれの特性に合った指導体制のもと、それぞれの強みを引き出しやすい可能性があります。

その結果、学力を効率良く伸ばしていき、豊富な大学進学実績につながっていると考えることもできそうです。

ただし、繰り返しますが、共学校も男子校・女子校もそれぞれに良さがあり、もちろん共学校で大学進学実績に強みを持つ学校はたくさんあります。

例えば共学校の難関校であれば渋谷教育学園幕張中学校・高等学校、渋谷教育学園渋谷中学高等学校、筑波大附属中学校・高等学校などがありますが、いずれも豊富な大学進学実績を誇ります。

教育の在り方は日々変化しており、男子校・女子校だから絶対に良い、共学校だから絶対に良いと断言することはできませんし、これは難関校も例外ではありません。

こうした点も含め、よりフラットな視点で捉え、お子さんの性格なども踏まえて志望校を決めていくことが大事です。

試験本番に緊張してしまう受験生

まとめ

今回は、中学受験で受験校を共学校にするか男子校・女子校にするか?について考えておきたいポイントをご紹介しました。

共学校も男子校・女子校もそれぞれに強みや良さがあるので、まずはメリット・デメリットを把握しつつ、お子さんの希望や性格に沿って志望校を決める必要があります。

共学校であれば異性の価値観や接し方を知ることができる一方、異性を気にしすぎてしまう場合もあります。

また、男子校・女子校であれば異性を気にせずのびのび過ごしやすい一方で、異性と接する機会はどうしても減ります。

まずはこうしたメリット・デメリットをフラットな視点で分析してみましょう。

そして、志望校を決めるときは子どもの意思をきちんと尊重すべきであり、親の経験や価値観だけで全て決めてはいけません。

また、子どもの小学校生活を振り返り、異性に対して苦手意識があるかないかなど、冷静に分析することも大事です。

親の考えだけで全て決めて良いことにならないので、お子さんの希望や意思、そして性格も踏まえ、慎重に受験校を決めていく必要があります。

中学受験は、やはり親子の二人三脚で歩んでいくものです。

共学校にするか男子校・女子校にするかを決める際にも親子できちんと話し合い、ベストな選択を考えていきましょう。