中学受験で大切な学校選び!志望校の通学時間はどのくらいが理想?

中学受験をする女の子

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中学受験で志望校を決めるとき、通学時間がどのくらいになるのか気になる親御さんは多いでしょう。

一般的にどの程度時間をかけて通学するものなのか、通学時間の多さは成績に影響するのかなど、疑問点も多いかと思います。

この記事では、塾講師の経験から、中学受験の学校選びで通学時間を考える際のポイントについてお話ししていきます。

通学時間や通学ルートでどのような点に注意して学校を選ぶべきか、一緒に考えていきましょう。

中高一貫校に通うと通学時間は長くなりやすい?

中高一貫校に通う中学生

中高一貫校に通う場合、どうしても通学時間は長くなりやすいです。

地元の公立中学校に通う場合と異なり、電車やバスを使って遠くから通学するケースも珍しくありません。

その中高一貫校の近くに住んでいるなどの例外的なケースを除き、40分から1時間近くかけて通う子どもも多いです。

中学受験で志望校・併願校を決める場合、ある程度通学時間が長くなることは知っておく必要があります。

学校によっては通学時間に制限を設けている場合も

学校によっては、「通学時間は公共交通機関を使って90分以内」といった形で通学時間に制限を設けている場合もあります。

また、受験資格として「通学時間は○○分以内」と決められていなくても、「通学時間は90分以内が好ましい」といった呼びかけを行う学校も見られます。

公共交通機関を使って通学する以上、途中でトラブルになる可能性もあり、生徒があまりに遠くから通うのは学校側としても抵抗があるでしょう。

そのため、あらかじめ学校のほうで通学時間の目安を定め、学校によってはそれが受験資格として決められている場合もあるわけです。

こうした細かい条件も事前に確認しておかなくてはなりません。

学校選びで通学時間を考えるときのポイント!

ここまでの話を大前提として、以下、中学受験の学校選びで通学時間を考える際のポイントについて整理していきます。

通学時間は40分から1時間程度が一般的なの?

公共交通機関を使って通学する場合、通学時間は40分から1時間程度が一般的と言えます。

30分やそれより短い通学時間で通学するケース、反対に1時間を超えて通学するケースはそこまで多くありません。

受験校を選ぶとき、40分から1時間程度で通学できる学校であれば、「家から遠い学校」とまでは言えないでしょう。

一方、通学時間が1時間を超えてしまう場合、通学の長さがお子さんの負担になる可能性もあるので注意が必要です。

行きたいと思った学校が遠くにある場合、その学校が通学時間に制限を設けているか、または受験資格でなくとも通学時間の理想はどのくらいで設定されているか、事前に確認しましょう。

乗り換えが多い場合にも注意が必要

通学時間だけでなく、交通機関の乗り換えについても注意が必要です。

電車やバスを使って通学する場合、ルートによってはどうしても乗り換えが多くなります。

通学時間が1時間以内だとしても、乗り換えが頻繁に必要な場合、それだけ子どもの負担は多くなってしまいます。

通学時間に加え、こうしたルートは事前に細かく確認し、子どもにもしっかり伝えておきましょう。

人の多いエリアを通るかどうかも確認

ルートによっては、ラッシュで人が多いエリアを通る場合もあります。

例えば都心部を通って通学する場合、行きの時間帯は特にラッシュにぶつかります。

また、帰宅時間が遅くなれば、今度は帰りのラッシュと重なってしまいます。

ただ、都心部は地下鉄やJR線など様々なルートがあるため、なるべく人が少ないルートを選んで通学・帰宅することは可能でしょう。

多少時間がかかっても人が少ないルートで通学する選択肢もあるので、このあたりは通学時間との兼ね合いも踏まえ、事前に調べておきましょう。

都心から離れた学校に通う場合

都心から離れた学校に通う場合、下り列車で通学できれば、それだけ負担が少なくなります。

朝はラッシュの上り列車と逆方向に、帰宅時は帰りのラッシュの下り列車と逆方面になるからです。

もちろん、朝の下り列車であってもエリアによっては混雑しますが、都心に向かう朝の上り列車よりは混雑しないでしょう。

ただし、いくら都心から離れた学校とはいえ、ルートの途中で都心を通る場合はラッシュと一部重なるので注意が必要です。

最近は私鉄と地下鉄の相互乗り入れ、JR線の湘南新宿ラインなど、長距離を一本で結ぶ列車も増えて便利ですが、移動の途中で都心部を通る場合はもちろんラッシュにぶつかります。

直通運転によって乗り換えが減り、通学時間も短くなったとはいえ、途中でラッシュに合う可能性があることは注意しなくてはなりません。

都心から離れた学校だから絶対にラッシュに合わないとは言えないので、上記のような路線を長時間利用する場合も含め、事前に細かく調べておく必要があります。

学校説明会などで実際にルートを確認する

学校説明会や見学などで実際に学校に行く機会もあるかと思いますので、その際に通学ルートを細かくチェックしておきましょう。

特に混雑具合やラッシュの時間帯、乗り換え時間などは、実際に行って確認したほうが良いでしょう。

また、駅から学校までの道のりや駅周辺の環境など、実際に目で見て雰囲気を知っておくことも大事です。

通学時間のチェックはもちろん、こうした実際のルートを直接確認し、通学のシミュレーションをしておきましょう。

部活動などで帰りが遅くなる場合も想定しよう

中学校や高校になると部活動で帰りが遅くなる日もあります。

特に高校生になれば部活も本格化し、中学生の時以上に遅い時間に帰宅することもあるでしょう。

また、部活動でなくても生徒会や学校行事などで遅くまで学校に残る場合もあります。

さらに、学校帰りに塾に寄る場合、当然ながらその分帰宅時間は遅くなります。

こうしたケースも想定すると、通学時間はなるべく少ないほうが好ましいでしょう。

特に1時間を超える通学時間の場合、夜遅くの帰宅は親としても心配になるかもしれません。

部活動の時間帯なども事前に調べられる範囲で調べ、帰宅時間のシミュレーションをしてみてください。

自転車通学の場合は?

自転車通学の場合、通学時間は20分前後が一般的かと思います。

さすがに40分~1時間かけて自転車で通学するようなケースは稀でしょうし、多くても30分くらいでしょう。

当然ながら、自転車通学の時間を電車やバスと同じように考えることはできません。

自転車の通学時間が長ければ長いほど体力を消耗しますし、それによって授業に集中できないなどの事態は避けなくてはなりません。

また、学校で疲れて帰宅するような場合、疲れた状態で長時間自転車で移動するのは危険が伴います。

なるべく通学時間が短いに越したことはなく、ここも十分注意する必要があります。

大学実績のよい学校の特徴

通学時間と成績は関係してしまう!?

中学校で深海魚にならないために

通学時間が長いと帰宅時間も遅くなるため、家庭学習に悪影響を及ぼすのではないか?と疑問に思う親御さんもいるでしょう。

確かに、遅く帰ってくることで家庭学習の時間が多少減る可能性はあります。

しかし、だからといって成績が下がると断言することはできません。

通学時間はどんなに長くても1時間半程度であり、40分で通学できる場合と比較しても、その差は50分程度です。

50分の差であれば、家庭学習の質に大きな差が出るとは言えないでしょう。

例えば家庭学習時間を1~2時間とした場合、通学時間が1時間半でも40分でも、帰宅してから十分時間を確保できるはずです。

通学時間が長いから勉強が十分にできないというわけではなく、通学時間の差だけで日々の家庭学習に大きな違いが出るとは言えません。

また、たとえ通学時間が長くても、その途中で参考書を見るなどの方法はあります。

ある程度長い時間座って通学できる場合であれば尚更、参考書や単語帳などに集中しやすくなります。

このように、通学時間の長さが絶対に成績に悪影響を及ぼすとは言えないのです。

成績が伸びる子と伸びない子

まとめ

今回は、中学受験の志望校選びで考えておくべき通学時間のポイントについてお話ししていきました。

中高一貫校は地元の公立中学校と比べるとどうしても通学時間が長くなり、公共交通機関を使って40分~1時間程度かけて通学するケースも多いです。

また、1時間を超えて通学する場合は子どもの負担も大きくなるほか、学校によっては受験資格で「通学時間は○○分以内」と決められているので注意しなくてはなりません。

一方で、通学時間を考えるときは、時間だけでなくその交通ルートも詳しくチェックする必要があります。

乗り換えはどのくらいあるのか、朝夕のラッシュにぶつかるエリアはあるかなど、事前に確認し、親子でしっかり情報を共有しなくてはなりません。

また、学校説明会や見学などの際にも、実際の通学ルートを細かく確認しておきましょう。

このように、通学時間は単に時間だけ考えれば良いわけではなく、乗り換えの多さやラッシュと重なるかどうかなども詳しく調べることが大事です。

また、通学時間が長いと成績に影響するのか?という疑問もあるかもしれませんが、通学時間が長いからといって家庭学習などの勉強時間が大きく減るとまでは言えません。

ただ、通学時間が長ければ長いほどお子さんの負担は大きくなりますので、成績というよりお子さんの精神面や安全面などの観点から考えていく必要があるでしょう。

これらの点も含め、各ご家庭でどのくらいの通学時間が好ましいのか、親子で分析することが大事です。