中学受験は親子で挑む一大イベント。
中学受験を決めたその日から、親は我が子が志望校に合格できるのかと心配したりハラハラしたり、気が休まることはありません。
ときにはイライラしてしまうこともありますよね。
もちろん、これまで中学受験を経験した親御さんの多くも、この「イライラ」を経験しているはずですが、お子さんと中学受験を乗り越えています。
果たして、どのように親の「イライラ」を対処していたのでしょうか。
そこで今回は、2人の子どもの中学受験を経験した筆者が、中学受験の親の「イライラ」の原因やその対処法をお伝えしていきます。
目次
中学受験!親のイライラの原因は何?
中学受験をするからには、我が子に中学受験を勝ち抜いて、無事に志望校に「合格」してほしいと思うのが親心。
しかし、どんなに勉強していても、「合格」の2文字を見るまで、親は子どもが「心配」で、そして成績や勉強態度が果たして今のままで良いのだろうかと「不安」に思ったり、思い通りに勉強が進まなかったり成績が上がらないと「焦り」を抱いてしまうものです。
そして、この「心配」や「不安」、「焦り」が、ときに「イライラ」の感情を生んでしまいます。
具体的には、以下のようなことがあると「イライラ」してしまうようです。
- 子どもが勉強をしない(ゲームや漫画を優先する、友達と遊びに行ってしまうなど)
- 成績(偏差値)が思うように上がらない
- 成績が下がる
- 志望校の偏差値に成績が届かない
- 成績が下がったことに子どもがイライラして対応に気をつかう
- 家庭学習がスケジュール通りに進まない
- 他のお子さんの勉強方法や成績が気になる
- 通塾と他予定との調整が大変(特に5年生くらいまで他の習い事をしている場合)
- 自分の仕事や家事、他兄弟の都合と通塾や模試との調整が大変
どうですか?
少なくても1つや2つ、思い当たることがあるのではないでしょうか?
お子さんが毎日言われなくても机に向かい、予定通りに勉強も進み、志望校も合格が十分に見込める成績を常に安定して取れていれば、「イライラ」せず、穏やかな気持ちで入試当日を迎えることができそうです。
しかし、そんなお子さんは居てもごく少数ですし、親ならばやはり志望校の「合格」を目にするまでは「心配」はなくなりません。
つまり、中学受験生を抱える親御さんが「イライラ」することは、ある意味仕方がないことなのです。
大切なのは、「イライラ」する回数を極力少なくすること、「イライラ」したら上手に対処することです。
イライラを上手にコントロールしよう!試してほしい「イライラ」の対処法
中学受験において親が「イライラ」することは避けられないことですが、親が「イライラ」していても、成績が上がるわけでも、ましてや志望校に合格するわけでもありません。
むしろ、受験生であるお子さんにも「イライラ」が伝染して勉強に集中できなくなったり、受験に対するモチベーションが低下したりと悪影響を及ぼしかねません。
いわば、親が「イライラ」を上手にコントロールすることも、中学受験における親の役目の1つといえます。
では、どう「イライラ」を対処すればよいのでしょうか。
「イライラ」の対処法としては、
- 「イライラ」する原因を受け入れる
- 「イライラ」する原因から距離をとる
- 「イライラ」したら解消する
などが挙げられます。
そこで次から、具体的な「イライラ」対処法をご紹介します。
中学受験生を抱える「覚悟」をする
中学受験には「心配」や「不安」、「焦り」がつきものですが、これらが「イライラ」を引き起こす原因であることは前でも触れました。
これは、中学受験生を抱える親御さんの多くが経験することです。
まずは、自分だけが悩んで「イライラする」わけではないことを認識してください。
その上で、中学受験をすると決めたからには、「心配」や「不安」、「焦り」など、なんでも受け入れ、いつでも子どもの味方で居続ける「覚悟」をしてください。
もちろん、長い受験期間には、「覚悟」した通りにできないときも多々あります。
それでも、一度「覚悟」をしておくことで、「あのとき覚悟をしたはず」と当初の決意を思い返して、早めに冷静さを取り戻すことができるはずです。
また、中学受験は「子どもが自分の力でより多くの選択肢や可能性を得るチャンス」と、あくまでも「子どもの人生」の一過程に過ぎないと、一歩ひいた視点を持つのも「イライラ」の原因を抱えない秘訣です。
「肯定的」な話し方をするように意識する
中学受験期間は、できる限り「肯定的」な話し方をするようにしてみてください。
中学受験に限らず普段の生活でも、イライラしているときは否定的な話し方をしていると思いませんか?
「成績が上がらない」
「遊んでばっかりで勉強しない」
そのままの言葉でお子さんと話しをしても、親の思いを伝えるどころか、お互いギスギスしてしまい、結果的にお子さんのモチベーションを下げることにもなってしまいます。
反対に、「昨日は勉強頑張っていたね」、「前解けなかった問題が解けたから、今度はこの問題も頑張ってみよう」など、良いところをみつけて「肯定的」な声掛けを意識しましょう。
お子さんも親の言葉を受け入れやすいですし、親自身も不思議と上向きな感情になり「イライラ」も収まることがあります。
普段から肯定的な表現を使うようにすると、いざという時にも無理せず使えるようになるのでおすすめです。
親も“しっかり”リフレッシュする
中学受験は、長期戦です。
その期間、親はずっと子どものサポートをしなくてはなりません。
だからこそ、親も“しっかり”リフレッシュして、ストレスをためないようにしてください。
筆者もよく、心から信頼するママ友に話を聞いてもらったり、模試の付き添いをするときに会場近くのカフェを事前に調べて立ち寄ったりして気晴らしをしていました。
親が“しっかり”リフレッシュすれば、気持ちに余裕ができ、イライラすることも少なくなります。
必要ない情報は見ない・聞かない
これは、「イライラ」の原因と距離をとる具体策です。
中学受験を始めると、色々な情報に囲まれます。
受験のために通う塾はどこがいいのか、受験校の情報や評判、ネットで紹介されている勉強方法、他のお子さんの勉強方法や成績などなど。
しかし中には、ご自身が耳にして「心配」や「不安」、「焦り」を感じるものもありますよね。
具体的には、他のお子さんの成績や、「この問題集が良いらしいよ」など、塾友ママや受験友ママの「~らしい」、「~みたい」と真偽が微妙なウワサ話などでしょうか。
中学受験に必要な情報は、我が子にあった塾や勉強方法、我が子が受ける中学校の情報、そして我が子の成績などの情報です。
これらの正しい情報の多くは塾や受験を予定する中学校や合同説明会などで得られます。
正しいかどうか分からない、知らなくても我が子の成績に関係ない情報を知ることでイライラするくらいなら、その情報はあえて見ない・聞かないようにして「イライラ」を遠ざけましょう。
塾を最大限利用する
それでも消えない・減らない「イライラ」は、その原因となる「心配」や「不安」、「焦り」を塾の先生に聞いてもらって解消しましょう。
塾の先生方は、これまで多くの中学受験生やその親御さんを見てきている、中学受験のプロ集団です。
我が子の勉強の様子や成績も知っていて、中学受験生の親が抱く「心配」や「不安」、「焦り」も熟知している塾の先生方こそ、「イライラ」の原因を解消してくれる最適者だと思いませんか?
筆者も、「心配」や「不安」などはもちろん、中学受験に関して分からないことなど、ことあるごとに塾の先生に相談をしていました。
その度に我が子の状況を踏まえた適切なアドバイスをいただきました。
そうすることで、少なくとも「不安」や「焦り」は少なくなったと感じています。
せっかく通っている塾ですから、中学受験に関する全てにおいて最大限利用しましょう。
それでも「イライラ」してしまったときの対処法
これまで、色々「イライラ」の対処法をご紹介しましたが、そうはいっても瞬間的に「イライラ」してしまい、態度に出てしまったり、子どもに当たってしまうこともあると思います。
姉妹で計6年間の受験生活を経験した筆者も、もちろん何度もありました。
そんなとき、筆者は決まって、イライラして態度に出てしまったことを、子どもに謝りました。
「さっきはママが悪かったね、ごめんね。」と。
正直なところ、対処法として正しいかどうかは分かりません。
しかし、親だって人間です。
完璧にできないこともありますよね。
「イライラ」を押さえることが出来なかったときは、素直に反省し、悪化した雰囲気や環境を少しでも早く修復するように努めてみてください。
最後に
中学受験において、親が「イライラ」せずに受験期間を過ごすのは本当に至難の業です。
しかし、親の「イライラ」は子どもにとって1つもプラスになることはありません。
そのことを肝に銘じ、「イライラ」の原因を受け入れる覚悟と、「イライラ」の原因を減らす工夫を徹底して、少しでも「イライラ」する機会を減らすことを試みてください。
それでも、つい「イライラ」が態度に出てしまいそうになるときは、塾の先生に話を聞いてもらったり、自分の時間を楽しんだりして上手に解消してください。