新入学、進級のタイミングで長期休暇などがあると生活が変わり、生活習慣が乱れてきてしまっていませんか?
ですが、新学期さらには将来の事を見据えていくと、子どもたちをただダラダラと過ごさせるわけにはいきませんよね。
今回は子どもの規則正しい生活について、その大切さと必要性について考えてみていきましょう。
目次
規則正しい生活とは?
教員をしていると、新学期のはじめや年明けに「目標」を決めさせることが多々あります。
目標を決めさせる場合、私は必ず「生活面」と「勉強面」で1つずつ目標を決めさせています。
そしてその「生活面」の目標では「早寝早起きをする」という目標を立てる子が非常に多くいます。
でも、言い換えれば目標を立てているわけですから、今現在「早寝早起き」ができていない、ということですよね。
日本では昔から「早寝早起き」をすることが良いとされてきました。
では、本当にその「早寝早起き」は良いことなのでしょうか。
早寝早起きで大切なこと
「早寝早起き」をしようと思ったら、多くの人は「早く起きるために早く寝る」ことを意識するかと思います。
例えば「明日遠足に行くから、今日は早く寝ないと」なんて会話を親子の間ですることもあるのではないでしょうか。
しかし、「早寝早起き」で大切になってくるのは実は「早寝」ではなく「早起き」の方です。
早起きで体内時計が整う
「体内時計」という言葉を耳にしたことはありませんか。
この「体内時計」は脳にあり、「体内時計」のはたらきで睡眠や体温などのリズムは刻まれます。
そしてこの時計は朝の光を浴びることでリセットされます。
リセットが上手く行われないと、1日のリズムが狂ってしまい、最終的に寝る時間にも悪影響を及ぼすことになります。
さらに寝る時間が遅くなると、その分夜に浴びる光の量が多くなり、さらに体内時計を狂わしてしまう原因となります。
体温も人間にとっては大切なもので、体温のリズムが崩れてしまうと、昼間の活動が活発に行えないなどの支障をきたしてしまいます。
早起きのために取り入れてみてほしいこと
では、早起きをするために必要な2つのことをみていきましょう。
朝の光を浴びる工夫をしてみよう
締め切ったカーテンや厚地のカーテンをしていると、部屋の中に光が入らず、身体を覚醒させることができません。
そんな時は、意図的にカーテンの隙間を作ることが効果的です。
ただし部屋の構造によっては朝日が入り込まない場合もあるかと思います。
そのような場合には、日の光にこだわらず、部屋の電気を付けて明るくしましょう。
睡眠時間を少しずつ動かす
いきなり深夜0時まで起きている人が夜の9時に寝ようとしても、それは就寝リズムができてしまっている以上なかなか難しいかと思います。
いきなり朝方に切り替えるのではなく、「15分早く寝て15分早く起きる」というように少しずつ時間をずらしていきましょう。
規則正しい生活をするために大切なこと
「早起き早寝」を基本とし、さらに次のことに注意していくと、さらに規則正しい生活が整ってくるのではないでしょうか。
きちんと挨拶をする
挨拶は人として大切なものですが、子どもも大きくなってくると、あいさつが適当になったり、思春期などには挨拶さえ返してくれないこともあるかもしれません。
「おはよう」「いただきます「「いってきます」「おやすみなさい」といった言葉たちは、私たちの生活行動と密接に関係しています。
挨拶を通じて、規則正しい生活を意識させましょう。
朝ごはんを食べる
現代人は朝ごはんを食べないという人も多いです。
ですが朝ごはんを食べないと、脳や体にエネルギーを送ることができず、午前中を無駄にしてしまう可能性があります。
また、朝ごはんを食べるために朝決まった時間に起きなければいけなくもなります。
決まった時間にバランスの良い食事をすることが、1日の生体リズムを整えます。
夕飯の時間とお風呂の時間を考える
ご家庭では夕飯とお風呂はどちらが先でしょうか。
多くの家庭では、夕飯を食べてからゆっくりお風呂に入って、身体をきれいにして寝る、といった順番ではないでしょうか。
特に寒い時期はお風呂で温まってから布団に入った方が、眠れそうな気がしますが、実は体温が下がったところが1番入眠しやすい状態となります。
そのため、就寝2時間前くらいにはお風呂を済ませておくとよいでしょう。
また、寒い、温かいなど季節に合わせて温度設定を変えていくことも大切なポイントとなります。
どうしてもお風呂後2時間空けることができない場合は、食事とお風呂の時間を逆にすることも視野に入れてみてください。
ただし、食後すぐに寝ると睡眠中に消化を行わなければならず、身体に負担になるので、食事と入浴の順番について安易に考えるのは危険です。
家庭の状況や家族の帰宅時間などを考慮し、就寝前のスケジュールを考えてみましょう。
規則正しい生活がもたらす2つの利点
生体リズムが整い健康になる
生体リズムが整うと、多少の病気にも強くなります。
逆に生体リズムが乱れれば、生活習慣病と呼ばれるがんや心筋梗塞、糖尿病などのリスクが高くなります。
生活習慣病は、症状を和らげる薬はあっても、その薬が十分な効果を発揮するためには、生活習慣自体の改善が大切だとされています。
生活習慣病と聞くとあまり子どもには関係ないように感じてしまうかもしれませんが、肥満や虫歯も生活習慣病の一種とされています。
決して子どもには関係のないものではありませんので、子どもの頃からの十分な睡眠やバランスの良い食事などの規則正しい生活は大切なのです。
精神面も安定する
精神的な面でも生体リズムが乱れると、ネガティブになったり気分が安定しなかったり、イライラしたりなどの不調が現れます。
逆に規則正しい生活を送ることで、人間の持つストレスに打ち勝つ力を高めてくれるので、精神的な面でも規則正しい生活を送ることは大切なのです。
「規則正しい生活」に縛られ過ぎない
規則正しい生活を送ることは、私たちの心身が良い状態に保つことを目的として行うべきものであります。
しかし、あまりに縛られすぎて、それがストレスとなっては意味がありません。
規則正しい生活=きっちりしたスケジュールになってしまうと、生活自体に窮屈さを感じてしまい嫌になりますし、親と子どもも急かし急かされる生活に疲弊してしまうでしょう。
まずは、1日の中でも大切な朝の生活習慣、起床時間と朝食について見直してみましょう。
規則正しい生活を送り、心にも体にもよい生活を送ることが、子どものよりよい人生への一歩だと考えてみてください。
ぜひ親子で規則正しい生活について考え、生活習慣の改善に取り組んでみてください。