受験直前期になると、いよいよラストスパートで緊張感のある日々が続きます。
思うように成績が上がらないと焦ってしまうかと思いますが、直前期に成績・点数を伸ばすことは十分可能なのです。
あまりネガティブ思考にならず、どこを改善してどのように対策を進めるか、落ち着いて考える必要があります。
この記事では、中学受験の直前期に成績を伸ばすためにやっておきたいことや注意点についてお話ししていきます。
直前期を有意義な期間にできるよう、ぜひ参考にしてみてください。
目次
入試直前期でも成績アップは十分可能
受験勉強は長い時間をかけて積み重ねるものですが、直前期に成績を伸ばすことも十分可能です。
勉強は日々の過ごし方次第で大きく変わるものであり、それは直前期も例外ではありません。
ラストスパートだからこそ最後まで諦めず、効率的な勉強を根気良く進める必要があります。
ただ勉強時間を増やせば良いわけではない
最初に注意してほしいのは、ただ勉強時間を増やせば良いわけではない、という点です。
確かに勉強は量をこなす必要がありますが、勉強時間を多くすれば成績が上がるとは限りません。
また、勉強時間を増やして睡眠時間を削るといったことは絶対に避けてください。
睡眠不足は体調不良や集中力の低下につながります。
それではせっかくの直前期が台無しになってしまうので、とにかく規則正しい生活を意識し、睡眠時間は十分確保しましょう。
直前期だからこそ体調管理を徹底し、高い集中力を維持し、効率良く勉強を進める必要があるのです。
勉強時間を増やしたから良いというものではないので、この点は十分注意してください。
もちろんそれまでの積み重ねが重要!最後の追い上げとして成績をアップさせよう
直前期のラストスパートで成績をアップするには、もちろんそれまでの積み重ねが重要になります。
直前期だけで勉強を詰め込んでも、合格は難しいのです。
この点も十分意識していただき、直前期までしっかり勉強を積み重ねるよう、まずは日々の勉強をコツコツ行ってみてください。
そのうえで直前期を効率良く過ごし、最後の追い上げとして成績をアップしていくことが大切です。
入試までラストスパート!直前期にこれだけはやっておきたい
ここまでの話を大前提として、以下、入試直前にこれだけはやっておくべきという点についてご紹介します。
直前期を効率良く過ごし、ラストスパートの点数アップにつなげていきましょう。
全科目に共通するポイント!直前期にこれだけはやっておきたい5つのこと
過去問や問題演習の解き方!過去問を解きっぱなしにしていませんか?
過去問や問題演習でとにかく注意してほしいのは、「解きっぱなしで終わらせない」という点です。
間違えた箇所はしっかり確認し、復習すべき分野・単元はどこか、間違えて覚えていた知識はどこか、細かくチェックしてください。
直前期だからこそ、こうした復習は徹底する必要があります。
直前期で焦っている受験生は、問題を解きっぱなしにしてしまうケースが意外に多いです。
点数や正答率で一喜一憂し、肝心の復習や解き直しがおろそかになってしまう、そんな受験生は多いのです。
これでは成績が伸び悩む原因になるので、直前期だからこそ復習や解き直しは徹底するようにしましょう。
過去問演習は特に時間配分を意識する
特に過去問演習では、時間配分に注意してください。
入試本番では、一つの問題に時間をかけすぎた結果、解けるはずの問題に手が回らず解けなかった、などの例も多いです。
そうならないよう、あらかじめ過去問演習でシミュレーションを重ね、時間配分の感覚を養っておきましょう。
得意分野の対策もしっかり行う
成績アップというと、どうしても苦手分野の克服に意識が向きがちですが、得意分野の実力もしっかり維持しなくてはなりません。
苦手分野の対策ばかり進めた結果、得意分野の勉強がおろそかになり、得意分野の成績が下がってしまったなどのケースも多いです。
得意分野は大きな得点源ですので、こちらもしっかり実力を維持しなくてはなりません。
この得意分野と苦手分野の勉強バランスをどうするか、ここが直前期のカギとも言えます。
苦手分野を正確に把握すること
得意分野と苦手分野の勉強バランスを考えるうえで、苦手分野の正確な把握は必要不可欠です。
つまずきやすい分野・単元はどこか、どのような傾向の設問が苦手なのか、細かく把握したうえで、対策の方向性を定めましょう。
そこで苦手分野の勉強時間の目安を立て、残った時間を得意分野の勉強に使えば良いのです。
単純な話に聞こえるかもしれませんが、この苦手分野の把握がうまくできず、苦手分野と得意分野の勉強バランスが悪い受験生は意外に多いです。
得意分野の勉強スケジュールを決めるうえでも、まずは苦手分野の正確な把握からきちんと行うようにしましょう。
これは直前期であっても例外ではありません。
出題される可能性が著しく低い分野・単元について
志望校や併願校の出題傾向を見て、出題される可能性が著しく低い分野・単元があれば、そこはあまり対策しなくても良いでしょう。
特に直前期であればあるほど、出題傾向に沿った対策が必要不可欠になります。
出題の可能性が低い分野ばかり勉強するのは当然非効率となり、それよりは頻出分野・単元のトレーニングを重ねたほうが効率的です。
もちろんあらゆる分野の基本はおさえておくべきですが、出題可能性がかなり低い分野・単元の応用問題まで直前期に勉強するのは効率的とは言えません。
そのような分野・単元も基本レベルまではある程度おさえ、応用的な内容は切り捨てる、といった判断も時には必要でしょう。
科目別にみる!点数アップにつながるポイント
次に、科目別にポイントを整理していきます。
算数
算数はとにかくテスト形式での問題演習を繰り返し、本番に備えましょう。
過去問はもちろん、普通の問題演習でもなるべく時間を計り、「時間内にスピーディーかつ正確に解き進める」というトレーニングを重ねる必要があります。
特に算数は時間配分が非常に重要であり、一問に時間をかけすぎないよう、常に全体を意識して解く癖をつけましょう。
もちろん、間違えた問題の解き直しや復習は必要不可欠です。
公式や特殊算などを誤って覚えていないか、計算手順を間違って覚えていないかなど、細かい点まで確認しましょう。
特に頻出分野は優先して勉強を進め、実力を盤石なものにする必要があります。
国語
国語もテスト形式で問題演習を繰り返し、実力を鍛えていくことが大事です。
基本となる読解力はある程度身についているかと思いますので、あとは問題演習を繰り返し、読解力の精度を高めていく必要があります。
こちらも時間を計り、時間内に素早く正確に読解する練習を心がけましょう。
また、国語は設問形式が幅広く、選択肢問題、書き抜き問題、記述問題などがあります。
学校によっては選択肢問題が多い場合、記述問題が多い場合、さらには論述に近い記述問題が出題される場合など、その傾向も様々です。
こうした出題傾向を志望校・併願校ごとに確認し、過去問演習や問題演習でトレーニングを重ねましょう。
そのほか、漢字や語彙・知識問題も頻繁にチェックし、知識を高めていくことが大事です。
社会・理科
社会と理科は覚えるべき内容が多いため、直前期でも知識の確認・復習が重要になります。
社会も理科も完全な暗記科目というわけではありませんが、知識の精度を高めることで、追い上げしやすい科目でもあります。
特に頻出分野の知識は盤石なものにし、最後まで確認を怠らないようにしてください。
もちろん過去問演習や問題演習も必要不可欠であり、時間を意識して解くトレーニングが重要です。
社会も理科も単なる知識問題だけではなく、長めのリード文を読み取ったり、与えられた資料を理解したり、様々な設問形式に対応したりなど、入試傾向に沿った実力を磨く必要があります。
直前期だからこそ過去問演習や問題演習も繰り返し、本番に備えるようにしてください。
直前期だからこそやらないほうがいいこと注意点
最後に、受験直前期にやらないほうがいいことや注意点についてです。
新しい問題集に手を広げすぎないようにしましょう
これはしばしば見られるケースですが、新しい問題集に手を広げすぎるのは避けるべきです。
確かに直前期の問題演習は重要なのですが、新しい問題集ばかり解くと復習が追いつきません。
先ほども述べた通り、過去問演習でも問題演習でも、「解きっぱなしで終わらせない」という点は常に意識してください。
間違えた問題はしっかり再確認し、復習や解き直しを丁寧に行う必要があるのです。
新しい問題集に手を広げすぎると、まずこの復習は追いつかないでしょう。
そして復習が十分に行われないと、成績アップどころか成績が下がってしまうおそれもあるのです。
問題演習が重要なのは当然としても、必ず復習できる余裕は確保しなくてはなりません。
焦りは禁物!ネガティブ思考になりすぎないように
受験直前期であればあるほど、確かに焦りは増えるでしょう。
ただ、そこでネガティブ思考になりすぎるのは避けてください。
間違えた問題もあれば、正解した問題もあるはずです。
苦手分野もあれば、得意分野だってあるはずです。
どうしてもミスした問題や苦手な範囲に意識が向きがちですが、しっかり正答できた問題にも注目し、「この問題なら解ける」という自信を持ってください。
そのうえで、油断はせず得意分野の実力も維持し、もちろん苦手分野は苦手分野でしっかり対策を進める必要があります。
ただ、ネガティブ思考で対策をするのではなく、あくまでポジティブ思考のもとで対策を進めるようにしましょう。
ネガティブ思考になりすぎると、余計な焦りが生まれ、解けるはずの問題でミスをしてしまうこともあります。
落ち着いてやれば解けるのに、「間違えたらどうしよう」と思い込みすぎて、本当に間違えてしまうようなパターンです。
こうしたネガティブ思考は避け、「この問題なら解ける」という自信は常に持っておくことが大事です。
確かに、時にはポジティブ思考が難しいかもしれませんが、直前期だからこそネガティブになりすぎず、正々堂々と準備を進めましょう。
親のほうからも適宜声かけを行い、お子さんにポジティブな気持ちを持たせることを意識してみてください。
受験は体力勝負!睡眠不足にならないように睡眠時間をしっかりとる
冒頭でも述べましたが、受験直前期だからこそ体調管理は徹底するべきです。
特に睡眠不足は絶対に避け、規則正しい生活を心がけましょう。
受験というとどうしても学力面に注意が向きがちですが、受験勉強は体力勝負でもあります。
また、睡眠不足が続けば集中力にも悪影響が出てしまいます。
それがきっかけで成績が伸び悩んでしまうこともあるのです。
体力や集中力を維持するためにも、体調管理は徹底し、特に睡眠時間は十分に確保してください。
無理に勉強時間を増やすのではなく、あくまで規則正しい生活を維持することを意識しましょう。
まとめ
今回は、中学受験の直前期に成績を伸ばすためにやっておきたいことについてご紹介していきました。
受験勉強は長い時間コツコツと積み重ねるものですが、直前期に成績を伸ばしていくこともできます。
もちろん直前期だけでどうにかなる問題ではなく、そこに至るまである程度勉強していることが大前提ですが、直前期のラストスパートで成績をアップすることは可能なのです。
直前期では問題演習や過去問演習が増えますが、まず再確認していただきたいのは復習・解き直しの重要性です。
点数や正答率で一喜一憂するのではなく、ミスをした問題はしっかり分析し、落ち着いて復習・解き直しを行う必要があります。
直前期だからこそ、復習は丁寧に行い、知識や実力を補強していきましょう。
また、苦手分野の対策のみならず、得意分野の対策も繰り返し、実力を維持することが大事です。
得意分野だからと言って甘く見ず、知識や実力の精度を高めておきましょう。
さらに、直前期だからこそ規則正しい生活を心がけ、高い集中力を維持するようにしてください。
ただやみくもに勉強時間を増やせば良いわけではなく、むしろそれで睡眠時間が削られてしまったら逆効果です。
直前期の勉強を効率的なものにするためにも、まずは規則正しい生活リズムを意識しましょう。
こうした点に注意し、受験直前期を実りあるものにし、本番に臨みましょう。