「一度できるとなかなか治らない」、「どんどん増える」など、とてもやっかいな思春期ニキビ。
そんな思春期ニキビに悩んでいる中学生や高校生は、少なくないと思います。
親としては、「できるだけ早く治してあげたい」「ニキビができないように予防してあげたい」と思うものですよね。
今回は、管理栄養士の筆者が、食事の面からできるニキビの予防に効果的な栄養素や食べ物をご紹介していきます。
お子さんの思春期ニキビで悩んでいる親御さんの参考にして頂けたら幸いです。
思春期のニキビの原因
そもそもニキビは、毛穴に皮脂がつまりアクネ菌が増殖し、毛穴の中で炎症を起こしてしまう病気です。
そして思春期(10~18歳くらい)のときにできるニキビを「思春期ニキビ」と呼び、ホルモンバランスの変化が主な原因だと言われています。
また、思春期になると男子はもちろん、女子も男性ホルモンの比率が高くなり、分泌される皮脂が増加します。 そのため毛穴に皮脂がたまりやすく、すぐにニキビができるのです。つまり思春期には、誰でもニキビができやすいと言えます。(引用:ビフナイト)
思春期は皮脂の分泌が多くなるので、ニキビができやすくなってしまうんですね。
また、もともと皮脂の分泌が多い体質であったり、ストレスを感じたとき、食生活や睡眠の乱れなどによっても、ニキビができやすくなってしまいます。
ニキビ予防に役立つ栄養素とそれを含む食べ物
ビタミンAが不足すると肌のカサつき、乾燥の原因に!
ビタミンAは、皮膚をつくる細胞の形成や働きに関与しているビタミンです。
また、ビタミンAが不足すると、肌のかさつき・乾燥の原因にもなり、ニキビができやすい状態になるため、肌をきれいに保つために大切なビタミンです。
ビタミンAは、レチノール(動物性食品に含まれる)とβ-カロテンがあり、β-カロテンは、油と一緒に摂ることで吸収率が上がるため、にんじんやほうれん草などの緑黄色野菜は、茹でるより少量の油で炒めたり、ソテーなどにするのがおすすめです。
ビタミンAを多く含む食材
- 緑黄色野菜、レバー、うなぎなど
ビタミンB群は新陳代謝や抵抗力を高めてくれる栄養素
ビタミンB群の中でも、皮膚の新陳代謝を促す働きがあるビタミンB2や、皮膚の抵抗力を高めてくれるビタミンB6は、肌をきれいに保つために特に大切なビタミンです。
バナナにはビタミンB6の他にも、食物繊維やフラクトオリゴ糖なども含まれており、便秘の予防や改善にも効果的です。
ビタミンB群を多く含む食材
- ビタミンB2:魚介類、肉、納豆など
- ビタミンB6:魚介類、肉、バナナなど
ビタミンCには抗酸化作用がある!
ビタミンCには抗酸化作用があり、活性酸素を取り除く働きがあります。
活性酸素は私たちの体の中で自然にできるもので、少しであれば問題ないとされているのですが、増えすぎてしまうとニキビなどの肌トラブルが起こりやすい状態になったり、炎症がひどくなることもあります。
ビタミンCは酸化しやすい、水に溶けやすいという特徴があるのでできるだけ新鮮なものを選ぶようにし、調理方法は茹でるより焼く、蒸すなどがおすすめです。
ビタミンCを多く含む食材
- 野菜、果物、いも類など
たんぱく質は皮膚を作るための材料
たんぱく質は皮膚をつくるための重要な材料です。
たんぱく質はビタミンB群、特にビタミンB6と一緒に摂ると、体内での利用が促進されます。
魚介類や肉はたんぱく質が豊富なことに加え、ビタミンB群も多く含んでいるので積極的に食事に取り入れると良いでしょう。
たんぱく質を多く含む食材
- 魚介類、肉、卵、大豆製品、乳製品など
亜鉛は皮膚の新陳代謝を促してくれる
ビタミンB2と同じく、皮膚の新陳代謝を促す栄養素です。
魚介類や肉は亜鉛だけでなく、たんぱく質、ビタミンB群も多く含んでいるため、主菜として毎食1品は取り入れるようにすると良いでしょう。
亜鉛を多く含む食材
- 魚介類、肉、大豆製品など
食物繊維は肌トラブルになる便秘を防いでくれる
食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維があります。
どちらも便秘の予防や改善に有効といわれており、ニキビなどの肌トラブルの原因になる便秘を防ぐために、食物繊維を摂ることが大切です。
また、便秘を防ぐためにはどちらかを摂れば良いのではなく、どちらもバランス良く摂ることが大切です。
比率としては、水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2を目安にすると良いといわれています。
野菜には食物繊維が豊富に含まれていますが、生のまま食べるより加熱して食べる方が、かさが減って食べやすいです。
また、主食の白米を玄米に変えたり、パンはライ麦パンやふすまパンを選ぶようにすると、手軽に食物繊維を摂ることができます。
食物繊維を多く含む食材
- 水溶性食物繊維:野菜、果物、こんにゃく、わかめ、昆布など
- 不溶性食物繊維:穀類、野菜、海藻類、ごぼうなど
乳酸菌は腸内環境を整えてくれる
乳酸菌は腸内環境を整えるのに有効といわれています。
腸内環境の悪化や便秘は、ニキビを発生させやすくする原因になりやすいので、腸内環境を整えることは重要です。
味噌や漬物、キムチなどは乳酸菌を多く含みますが、塩分が高いものも多く、塩分の摂り過ぎはニキビなどの原因にもなるので、食べ過ぎには気をつけましょう。
乳酸菌を多く含む食材
- ヨーグルト、チーズ、納豆、味噌、漬物、キムチ、醤油
ニキビを悪化させる!?予防のためにも避けたい食べ物
お菓子やケーキ、フライドポテトや唐揚げなど、甘いものや油が多く使われているものっておいしいですよね。
特に、食べ盛りの中学生や高校生は、これらのような高カロリーのものを食べたくなる年頃でもあると思います。
ですが、糖質や脂質が高いものはニキビの原因になりやすく、また、ニキビを悪化させる可能性があります。
好きなものやおいしいものを食べることは楽しみの一つでもありますし、我慢のし過ぎでストレスが溜まっては悪循環になってしまうので、スナック菓子やチョコレート、ケーキ、揚げ物などは食べ過ぎに注意し、できるだけ控えるようにできると良いですね。
また、アーモンドやくるみなどのナッツ類は、ミネラルや食物繊維などが豊富に含まれており、栄養価の高い食材ですが、脂質も多く含まれているので、たくさん食べたりはしないように気をつけましょう。
ニキビ予防のために!食事+αで大切にしたいこと
しっかり睡眠をとる
大人でも、睡眠不足が続くとニキビができたり肌が荒れたりなどの肌トラブルが起こることありますよね。
なぜ、睡眠不足がニキビなどの肌トラブルを引き起こす原因になるかというと、皮膚の回復に必要な成長ホルモンが睡眠中に分泌されるため、十分に睡眠がとれないと、その成長ホルモンの分泌が悪くなるからといわれています。
肌を元気な状態に保つためには、質の良い睡眠を十分にとることが大切なのです。
乾燥を防ぐ
肌にとって乾燥は大敵です。
乾燥すると皮膚のバリア機能が低下し、ニキビなどの肌トラブルを起こしやすくなります。
特に冬場は乾燥しやすいので、加湿器を使用したり、お湯を沸かしたりなど、乾燥しないように工夫をし、部屋の湿度を下げないようにしましょう。
また、お風呂上がりも乾燥しやすいので、保湿のケアもしっかり行うようにすると良いですね。
ストレスを溜めないことも大切
いち早く治したい思春期ニキビですが、残念ながら、なかなか治りにくいのも思春期ニキビの特徴です。
質の良い睡眠を十分にとれるよう生活習慣を整え、肌が乾燥しないよう保湿ケアなどを行い、ニキビの予防に効果的な食べ物を毎日の食事に取り入れながら、長い目で予防・ケアしていくことが大切です。
また、中学生や高校生はテストや受験など、ストレスに晒される機会も少なくないと思います。
ストレスもニキビができやすくなる原因になるので、自分のストレス解消法を見つけ、ストレスを軽くしていくことも大切です。
最後に
筆者も中高生の頃、ニキビがひどく、市販の薬を使用したりさまざまなことをしましたが、良くならずとても悩んだ思い出があります。
そのときは治るのかとても不安でしたが、今となってはニキビがひどかった跡もなく、「思春期ニキビだったんだなぁ」と思うことができています。
ニキビができているときはとても悩みますが、時期がくると落ち着くことも多いので、あまり心配し過ぎず食事面や生活面を見直して見ましょう。
なかなか治らない場合は専門の医療機関などで診てもらうのも改善に繋がるはずです。
お子さん自身も出来てしまうと気になってしまうニキビの予防を家庭の中でも取り組んでいきましょう。