勉強が進むにつれ、子ども達の中には理解が出来ずにつまずいてしまうということがどうしても出てきます。親御さんとしても心配のタネの一つですよね。
ここでは、学年別に子どもたちがつまずくポイントや、解決策をまとめました。
苦手分野の克服としてもお役立てて頂けたら嬉しいです。
「うちの子もここでつまずいている」「これからどんなところでつまずくか知っておきたい」という保護者のみなさん、是非参考にしてみてください。
目次
低学年はここでつまずく!
まず低学年の子どもたちのほとんどがつまずくのが「時計」の勉強です。
時計の勉強には「時刻」と「時間」があります。
多くの子どもたちは「時刻」は比較的よくできるのですが、「時間」となるとボロボロだという子どもたちがたくさんいます。
この「時間」はどんな勉強かというと、
- 午前10時から20分たったら何時になるでしょう。
- 午前11時から、何時間たったら午後2時になるでしょう。
- ○○さんは3時に家を出て、4時30分に帰ってきました。○○さんはどれくらいの時間家を出ていたでしょう。
など、ある時間からある時間までの長さを計算する問題です。
特に上記二つ目の問題では、ほとんどの子がつまずきます。
問題の答えが午前から午後に変わったり、時計の長針が十二時をこえたりするととても難しくなるのです。
次につまずきやすいのが「かさ」の勉強です。
リットル、デシリットル、ミリリットルなど、たくさんの単位が出てきて混乱します。
また、子どもは「1リットルがどのくらいなのか」などの量感が曖昧ですので、「そんなわけないでしょ!」と突っ込みたくなるような回答を平気で書いてしまうこともあります。
中学年はここでつまずく!
中学年では、色々な新しい勉強が始まります。
リコーダーや習字、色を塗るときはクーピーやクレパスではなく絵の具で色を塗る授業もあります。
初めての経験、初めて見る道具に戸惑い、不安や苦手意識を持つ子たちがたくさんいます。
もう一つ、中学年の子どもたちがつまずきやすいのが割り算です。
初めは簡単な式から始まりますが、筆算となるとつまずく子どもが続出します。
高学年はここでつまずく!
高学年の子どもたちがつまずきやすいのが、「平均」の学習です。
この学習では、使い慣れていない「ならす(均等にする)」という言葉が出てきます。
この意味を正しく捉えられない子どもは、平均の学習がいつまでたっても苦手なままです。
「割合」という学習でも、多くの子どもたちがつまずきます。
問題の解答自体もピンとこない数字になることがあるので、問題が解けたかどうかも分からない、ということも多々あります。
また、高学年では新聞記事を書いたり、文集で作文を書いたりなど、作文を書く機会が多くなります。
そのときに何を書いて良いか分からず、固まってしまうという子も少なくありません。
つまずく前にやっておくべきこと・つまずいたときの対処法
低学年の対処法
普段から時計を自分でよむ癖をつけさせることをおすすめします。
できれば時間をよむだけでなく「2時間後には帰ってきてね」「あと何分?」などと問いかけ、時間の感覚を身に付けさせるようにしましょう。
ペットボトルやコップなどを使い、かさの量感を身に付けさせておくことも効果的です。
「これは1リットルのペットボトルだから、このコップに5人分は分けられるな」など、予想をさせてコップに注がせるなど、お手伝いをしている間にも量感を身に付けさせることもできます。
中学年の対処法
リコーダーや習字、絵の具などは、できるだけたくさんあつかわせて慣れさせておくことが大切です。
普段家で扱わせる余裕がない場合は、夏休みなどを利用して、夏休みの習字や絵画のコンクールに応募するのもおすすめです。
長期休みを利用すれば、子どもは普段よりもたっぷり時間を使って道具を扱えられ、学校ではできない自由な発想で楽しんで道具を支えられるようになるはずです。
割り算の筆算の学習では、低学年での基礎(かけ算や引き算)などができていないのは論外です。
低学年のうちに基礎をしっかり築いてこそ、これからの学習ができていきます。
割り算の筆算でつまずいたときは、まず引き算やかけ算の見直しをしましょう。
筆算の問題の解き方をもう一度確認し、それでも間違いが多いときは、五ミリ方眼を使ったり、筆算の問題に縦線を引いたりして、計算する位置がずれないように丁寧に見ていきましょう。
高学年の対処法
「平均」の学習では、「ならす」という感覚をつかむことが大切です。
普段から、「均等に分けるにはどうしたら良いか」「だいたいいつもどれくらいの時間寝るか」など、全体を見て考えさせる習慣をつけさせることをおすすめします。
「割合」の学習では、まずは文章をよく読まないと問題が解けません。
文章の意味をよく捉えて理解できるようにして、図に表したりイメージを膨らませて問題にとりかかるように癖をつけましょう。
低学年に比べ、得意不得意が特にはっきりとしている高学年の子どもたちは、つまずいていることに自分でも気づいていることがよくあります。
作文を書く際には、自分の気持ちを隠したり、偽ったり、周りの目を気にしたりして良い作文が書けないこともたくさんあります。
作文を書かせるときには、イメージマップを書かせ(関係ないと思うところまでとことん!)、自分の本当の気持ちに気づかせることが大切です。
また、短文でも良いので、毎日日記をつけさせることもおすすめします。日記を書くことで、文章を書くことに慣れ、作文への抵抗がなくなっていきます。
お子さんの苦手分野をきちんと把握しておきましょう
もちろん、上記以外のことにつまずく子どもたちはたくさんいます。
普段の宿題や通知表など、子どもの苦手を把握する手段はたくさんあります。
ご自身のお子さんがどんなところでつまずいているかをきちんと把握して、一緒に解決していってあげましょう。