小学校の勉強が進むにつれ、図形が苦手というお子さんは少なくはないです。
図形を得意にするには、小さい頃から積み木やパズルなどの遊びに触れさせることが効果的です。
図形に必要な想像力や図形的センスは、小さい頃からの遊びで鍛えることができるのです。
一方で、積み木などの遊びをあまりしなかった子どもでも、勉強法さえ工夫すれば、図形を得意科目にすることも可能です。
今回は、図形を得意にする遊びや図形が苦手から得意になる勉強法のポイントについてご紹介していきます。
目次
小さい頃からの遊びで図形が得意になる?
図形というのは、実は身近な遊びにたくさん登場しています。
パズル、積み木などを想像していただくと、イメージしやすいかと思います。
このような遊びをたくさんして、小さい頃から図形の感覚をつかんでおくと、将来図形の勉強をするときに大いに役立ちます。
そもそも図形の問題というのは、頭の中で図形をイメージすることが必要不可欠ですが、その想像力は小さい頃の遊びで鍛えることが可能です。
例えば、図形に補助線を引いて解答する問題であれば、「この図形に補助線を引いたらどうなるか?」「補助線を引くことでどのような図形ができあがるのか?」といったイメージを持つことが大切になります。
そして、小さい頃から図形に慣れている子どもは、頭の中で図形をイメージすることが得意なため、このような図形の問題に対処しやすくなるのです。
図形を得意にする遊びの例とは?
それでは、図形を得意にする遊びにはどのようなものがあるのか、具体的にご紹介します。
図形の勉強法についても後ほどご紹介しますが、まずは図形を得意にするためにやっておきたい遊びからポイントを整理しておきます。
積み木はルールなし!自由に組み立てることで想像力を鍛えられる
一番イメージしやすい遊びとしては、やはり積み木が挙げられるでしょう。
積み木は特にルールがあるわけではなく、子どもの想像力に任せるまま、自由に立体を作り上げることができます。
そのため、積み木でたくさん遊んでおくと、立体の感覚を養うことができるほか、図形を組み合わせる想像力を鍛えることも可能です。
立体的な感覚に加え、想像力を養うというのは、図形を得意にするうえで特に重要なことです。
そのほか、一つ一つの積み木を平面に置いたまま、何かの形を作り出すこともできます。
積み木を立体にせず、平面のままで並べ、それぞれ組み合わせることで、平面図形の感覚を養うこともできるのです。
ブロックで立体的センスを養おう!
ブロックも、図形の感覚を養ううえで重要な遊びとなります。
ブロックは積み木と似ていますが、それぞれのパーツをつなげたり、パーツ同士をはめたりできる点が大きな特徴です。
例えばレゴブロックであれば、各パーツをつなげたりはめたりして、車や家などの構造物を作り上げていきます。
もちろんレゴブロック以外にも、各パーツをつなぎ合わせて様々な立体を作り出せるブロック遊びはたくさんあります。
このように、ブロックは立体的なセンスを身につけるうえで非常に効果的です。
積み木と違ってパーツをつなげたりするため、難易度は高いですが、「自分一人で立体を作り上げていく」という感覚を強く実感できます。
パズルで平面図形の感覚を身につける!
パズルは、それぞれのピースの形を見て、それに合った他のピースを探し、完成させていくものです。
例えばジグソーパズルであれば、各ピースに描かれている絵はもちろんのこと、各ピースの形も見て、それぞれつなぎ合わせて完成させます。
その際、「このピースの形は、あのピースの形と合いそうだ」という感覚を鍛えることができ、図形的な感覚の養成として効果があります。
もちろん、いわゆる「図形パズル」と呼ばれるパズルも効果的です。
図形パズルは直角三角形、正方形、長方形などが登場し、小学校で学習する図形の感覚を早くからつかむことができます。
また、図形パズルには立体パズルもあるので、平面図形だけでなく立体図形のイメージをつかみたいときにもおすすめです。
そのほか、図形パズルはピースがそこまで多くないので、手軽に楽しめるというメリットもあります。
折り紙で自由な作品作りを!図形の感覚を磨こう
折り紙も、図形的な感覚を身につけることができる遊びです。
折り紙は、鶴や飛行機など、ある程度作り方が決まっているものもありますが、自分で自由に折って作品を作り出すこともできます。
その際に折り方を工夫したり、自分でオリジナルの図形を作り出したりすることで、図形の感覚や想像力が養われます。
また、折り紙によって直角三角形や正方形、直方体などを作ることもできるので、小学校で学習する平面図形・立体図形のセンスを磨くことも可能です。
図形を得意にする勉強法とは?
小学生になって図形に苦手意識がある場合でも、勉強法を工夫して図形を得意にすることは十分に可能です。
子どもによっては、小さい頃にパズルや積み木などの遊びをしてこなかったという場合もあります。
しかし、だからといって図形を得意分野にできないというわけではありません。
そのようなお子さんでも、勉強法を工夫することで図形を得意分野にすることはもちろん可能です。
以下、図形を得意にする勉強法について、ポイントをご紹介していきます。
教科書・問題集にある図形を書き写す
図形を得意にするには、辺や角度といった図形の構造を理解しなくてはなりません。
一方で、図形が苦手な子どもの場合、ただ図形を見るだけで理解を深めることは難しいです。
そこで、教科書や問題集に登場する図形を一度書き写し、自分の手で図形を書くことで図形の構造のイメージを深める、という方法があります。
地道な方法と思われるかもしれませんが、図形を書き写すというのは実はかなり効果があるのです。
特に子どもにとって、実際に手を動かして書いたものは強く印象に残ります。
もちろん図形も例外ではなく、実際に図形を書いてみることで、図形の形、辺・角度・高さなどのイメージを深めることができます。
図形がある程度得意になるまでは、教科書や問題集にある図形をなるべく書き写す習慣をつけ、センスを磨いていきましょう。
身近な図形を書き写すという方法もある
教科書や問題集の勉強とは異なりますが、身近にある図形を書き写すことによって、図形のセンスを鍛えていくというお子さんもいます。
教科書・問題集にある図形を書き写すよりも難易度が高いですが、自分の目で図形の形を把握し、そのイメージをもとに自分で書いてみるという方法は、センスを鍛える意味でも効果的です。
教科書や問題集の勉強の合間などで、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
公式は図形をイメージしながら覚える
図形には様々な公式が登場しますが、覚えるときは常に図形をイメージしながら覚えるようにしてください。
公式だけを暗記しようとする子どもも多いですが、図形のイメージができていないと、公式の理解は難しくなります。
図形を書きながら覚えるなどして、常に図形を頭でイメージする習慣をつけましょう。
公式は丸暗記よりも理屈から覚えるべきなので、図形を見て、「なぜこういう式になるのか?」を考える習慣が大切です。
補助線を引く練習をする
特に中学受験に登場する図形は、自分で補助線を引いて解答する問題が多くなります。
図形が得意な子どもは、自分で図形に線を書き入れることに抵抗がなく、問題に合わせて自分で補助線を引き、ヒントを見つけ、解答していきます。
一方で、図形が苦手な子どもは、補助線を引くことに慣れておらず、なかなかヒントが見つからないというケースが多いです。
そのため、図形問題を得意にするには、日頃から補助線を引く練習を重ね、自分で積極的に線を書き込むという習慣を身につけることが大切です。
そもそも図形の補助線というのは、問題に書かれている図形だけでは解答できないときに、補助線を引いて図形を分けるなどして、隠されたヒントを探っていく、という流れで使用するものです。
問題に解答するために自分で線を書き込むことになるので、この補助線を引けるかどうかで、正答できるかどうかが分かれるのです。
「この図形の面積を求めるには、どこに線を引いて考えればいいか」といった形で、問題ごとに柔軟に補助線を引く練習を重ね、実力を磨いていきましょう。
図形は楽しみながら覚えていける分野です!
今回は、図形を得意にする遊びや勉強法についてご紹介していきました。
小さい頃に積み木やブロック、パズル、折り紙などの遊びをしていると、図形の勉強にも非常に役立ちます。
図形は頭の中でイメージすることが大切で、想像力も必要になりますが、これらの図形的なセンスは積み木やパズルなどで磨くことが可能です。
一方で、小さい頃にこれらの遊びをあまりしなかったとしても、勉強法を工夫して図形を得意にすることもできます。
教科書・問題集の図形や身近な図形を自分で書き、図形の構造の理解を深めるといった方法や、図形を書きながら公式を覚えること、補助線を引く練習をすることなど、様々な方法があります。
いずれも図形的なセンスを鍛える方法となるので、普段から意識して習慣化していくようにしましょう。
図形は確かに複雑な部分もありますが、楽しみながら覚えていける分野でもあります。
小さい頃の遊びも、勉強法の工夫も、楽しみながら勉強につなげることを意識してみてください。