2020年の大学入試改革などもあり、「私立中学の方が対策をしてもらいやすい」「地元の公立中学からではハイレベル高校への進学が難しい」などの理由から、公立小学校から私立中学への進学、いわゆる「中学受験」が増えています。
筆者の私も、我が子を公立小学校から中学受験をさせて現在通学していますが、公立小学校にいる間、中学受験に向けて是非やっておいたほうがいいことやご家族の方へのアドバイスを紹介したいと思います。
目次
低学年から中学受験の準備は不要!個人塾や自宅学習でも大丈夫
ほとんどの中学受験専門塾では、小学生3年生の終わり、小学校4年生になる前の2~3月に募集をかけて入塾許可を出しています。
つまり、この時期が最も中学受験を始めるのに適している年齢ということです。
小1から有名中学受験塾に通わせるご家庭もありますが、その年齢はまだまだ「勉強」というものが定着していません。中学受験する上で大切なことは勉強の習慣です。
そのため、中学受験専門塾に早くから入塾させるのではなく、ご家庭でお母さんが見えるところで、学校の宿題をきちんとする癖、簡単なドリルをする癖、「勉強をする習慣」を身につけさせることが大切です。
学校の授業が物足りないお子さんもいらっしゃるかもしれませんが、低学年の段階では、基礎学力の定着、そして勉強する習慣を学ぶ機会を与えてあげてください。
中学受験生の小学校での授業の受け方
ちょうど小3~小4の春までには、中学受験専門塾に入塾するのがベストです。
中学受験専門塾に入ってからは、学校で学ぶ内容よりは少し難しいものから入るか、基礎から入るからのいずれかになります。
そのどちらにせよ、徐々に勉強速度は上がっていき、学校の授業よりもハイレベルなことを教わることになります。そのため、学校の授業をないがしろにしやすい傾向が出てきてしまいます。
けれど、学校の授業内容は実は中学受験の基礎をしているわけですので、学校での授業をないがしろにするわけにはいきません。
たとえ塾での授業が進んでいたとしても、「学校の授業も基礎をしっかりと復習する時間」というのは、親御さんからきちんとお話はしておきましょう。
読書は当然!読む分野を広げて速読できるようにしておくこと
どこの私立中学校でも、国語の問題には長文読解は出てきますし、問題の中で、漢字の問題や熟語などの問題が混ぜられています。
そのため、小1からの段階で絵本を自分で読む癖をつけて、どんどん読む本のレベルをあげていくことも大切です。
一部のお母様の中では、「古典は必須でしょ」というお声は聞きます。けれど最近の受験問題では、古典小説(例えば夏目漱石など)は一切でません。
現代小説はもちろんですが、びっくりすることに小学生ジュニア文庫から実際出題されるケースもあります。いろんな分野を読んでおくことは必要です。
同時に、出題文章量がかなり長いので、「速読」ができると今後の学校生活でも非常に役に立ちます。
学習塾によっては、速読コースを設けているところがあるので、もしあれば、速読コースにも入っておくことをお勧めします。
速読コースがない場合は、普段の読書で、時間制限を作ってみて読ませてみて、感想を書かせてみてください。どんどん読むスピードが早くなっていきますよ。
社会の受験対策として新聞・ニュースは必須
新聞を読むことやニュースを見ておくことは社会の受験対策として必須です。
塾では習ってないことが時事問題として出る可能性があります。
学校側の意図としては、「普段からその日その日に起きることに興味を示しているか」ということを知りたいので、時には意地悪問題を出題するケースがあります。
受験勉強で眠くて、疲れているし、新聞やニュースを読まない・見ないというのは、今後の中学受験では厳しいと考えられますので、取り入れておく必要はあります。
実際、新聞記事についての問題が出された学校もありますので、公立小学校から中学受験をするお子さんは、受験科目数に関係なく、新聞やニュースは興味をもっておくべきです。
開成の過去問事例!普段からいろんなことに興味持たせましょう
2017年度の開成中学校の入試問題に駅名の看板の「Y21について答えなさい」という問題が社会で出題されています。
正解は山手線の21番目の駅名を答えるという問題で、学校側の趣旨としては、「普段からいろんなことに目を向けて、興味をもち調べているか」ということを知りたいがための出題でした。
これは塾関係者や親御さんをびっくりさせた問題です。
普段お子さんが気になることや、興味のあることについては、調べさせる癖をつけることは、今後の中学入試で必要になるので、どんどん、いろんなことに興味を持ってもらいましょう。
中学受験するなら朝勉を!5分間計算ミニドリルを是非取り入れて!
私立中学の算数の計算はひねくれた問題ばかりですが、超難関校は別格として、ほとんどの私立中学校では、大問1に計算問題が出てきます。
基礎が固まっていないとひねられた問題は正解を出すことができません。そこで、朝起き抜け一番で5分間の計算ミニドリルを取り入れることをおすすめします。
頭の体操ができますし、朝の迫った時間で正答を出すという時間を意識した勉強ができます。
朝の時間の勉強で全くやらないかそれとも10分やるかで中学受験の合格率は全然違ってきます。
(中略)
時間制限もあるので時間を意識して問題も解くことができます
また、朝勉は生活リズムを整えるのにもいいですよ。
息抜きタイムには頭脳系パズルがおすすめ!
高学年になると、受験生のお子さんは必死になって勉強をするので、疲れ果てやすいし、イライラもたまりやすいです。
公立小学校に通っているお子さんで、頭脳系パズルが得意な子、囲碁・将棋が得意で教室に通っているか自宅でやっている子は、それを息抜きとして楽しみながらも頭の回転は非常に早いです。
相手の動きを予測していくので、頭の中で計算することや立体図形の問題に強いのでしょう。
最近はスマホやタブレットでできるアプリもあるので、ルールがわからなくてもやらせてみると、案外上達してきます。
息抜きにもなるし、頭の体操にもなるのでおすすめの遊びです。
長い中学受験生活!お子さんの異変には十分気をつけて
突然、「中学受験やめる」「中学受験いやだ!」と言い出して、中学受験を諦めてしまうお子さんもいらっしゃいます。
中学受験で勉強をして友達と遊べない、学校の授業が面倒、友達は全員公立中学に行くのに自分はいけない、など様々な理由で、中学受験を諦めるご家庭はあります。
確かに、他のお子さんは公立中学に行くのに、自分は中学受験で別の私立中学に行く事に嫌になる事もあるでしょう。
しかも多感な思春期で反抗期に突入の時の受験なので、相当ストレスはかかって、普段のお子さんがしない行動が出てくるときがあります。
まず、塾で一度相談は必要ですが、お子さんの異変について気づいたら「なにかあったの?」と聞いてあげましょう。そして、どういうことで悩んでいるのか、どうして止めようと言い出しているのかを聞き出してあげてください。
特に親の意思を尊重しすぎて、中学受験で無理をさせていることもあるので、親子での受験のすり合わせというのは大切です。
特に公立小学校からの中学受験は、親御さん自身が私学出身者でなければ助けることが難しいケースもあります。
困った時は、遠慮せずに塾の先生に思い切って相談してみて、親御さんができることを模索して、お子さんの辛さを取り除いてあげましょう。
中学受験は親子で乗り越える
中学受験は「親の受験」とも言われます。
その中で母親の役割とは大きく、お母さんの考え方次第でお子さんの成績を持ち上げることもできるし、逆に落ち込ませることにもさせてしまうこともあります。
筆者である私も、小4から子供を公立小学校から中学受験をさせて、中高一貫校の女子校に入学させましたが、合格までの約3年間はたくさんのやるべきことで、何度も心が折れそうになりましたが、親子であきらめずに挑戦して結果を出すことができました。
受験中は何かと大変なことばかりですが、家族で乗り越えて合格を手にしてくださいね。